マイクロソフトにWindows以外のOSは無理?「Azure RTOS」は「Eclipse ThreadX」へ:リアルタイムOS列伝(42)(1/3 ページ)
IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第42回は、第4回で紹介した「Azure RTOS」がMicrosoftの手を離れて「Eclipse ThreadX」としてオープンソース化される話題を取り上げる。
本連載第4回で、MicrosoftがExpressLogicを買収し、同社が開発していた「ThreadX」というリアルタイムOS(RTOS)を「Azure RTOS」に改称したという話をご紹介した(図1)。
その後Azure RTOSはライブラリを強化してAzureとのコネクティビティーを改善し、一方でさまざまなMCUベンダーやボードベンダーがAzure RTOSをサポート、自社の製品用のAzure RTOS用ドライバ類を提供するという形でエコシステムを拡大していた。しかし、ExpressLogicの元CEOにしてThreadXの開発者であったBill Lamie氏は、2022年7月にMicrosoftを退社し2023年1月に「PX5 RTOS」を立ち上げた、という話は連載第32回でご紹介した通りだ。
そんな訳で、MicrosoftにはThreadXというかAzure RTOSのみが残された形になっていたのだが、2023年11月21日に同社のTech blogでこのAzure RTOSをEclipse Foundationに寄贈したことをアナウンスした。
これに合わせてEclipse Foundationの方でも、これを「Eclipse ThreadX」としてオープンソースプロジェクトの形で扱っていくことを発表している(図2)。それでもMicrosoftの下で4年半あまりもThreadXは維持されてきたわけで、割と長く持った方だという気はするのだが……。
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