最大125kSPSのΔΣ型A-Dコンバーターを搭載した高精度AFE内蔵32ビットマイコン:組み込み開発ニュース
ルネサス エレクトロニクスは、産業用センサー機器向けに、ΔΣ型A-Dコンバーターを搭載した32ビットマイコン「RX23E-B」を発表した。従来品に比べ、データレートが8倍高速化している。
ルネサス エレクトロニクスは2023年11月22日、産業用センサー機器向けに、ΔΣ型A-Dコンバーターを搭載した32ビットマイコン「RX23E-B」を発表した。高精度AFE(アナログフロントエンド)内蔵32ビットマイコン「RX23E」の第2弾で、既に量産を開始している。
24ビットのΔΣ型A-Dコンバーターは、最大125kSPS(12.5万サンプル/秒)まで対応し、従来品の「RX23E-A」に比べてデータレートが8倍高速化した。RMSノイズは1kSPS時0.18μVrmsで、約3分の1に低減している。ひずみや温度、圧力、流量、電流、電圧などを高精度に計測可能で、最速10μsec(10万サンプル/秒)の力覚センサーなどにも余裕をもって対応できる。
データレートが最大31.25kSPSの製品も用意しており、いずれも3.8SPSから最大値まで柔軟にデータレートを設定可能だ。これにより、システムに最適なデータレートとノイズのトレードオフを選択できる。
32MHz動作のCPUコア「RXv2」を搭載するほか、計測部の補正や自己診断、アナログ信号出力に対応する16ビットD-Aコンバーター、最大40 SEG×4 COMのLCDコントローラー、リアルタイムクロック機能を備える。また、±10Vアナログ入力を搭載したことで、外付け部品や追加電源を必要とせず、5V電源のまま±10Vの測定が可能になった。
パッケージは、5.5mm角の100ピンBGAと6.0mm角の40ピンQFNを用意しており、小型化が要求されるアプリケーションに対応する。他に、48〜100ピンのラインアップを提供する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ルネサスの「RX110」でも動くPOSIX互換の「UNISON RTOS」はウェアラブル向け
IoT(モノのインターネット)市場が拡大する中で、エッジ側の機器制御で重要な役割を果たすことが期待されているリアルタイムOS(RTOS)について解説する本連載。第24回は、POSIX互換のリアルタイムカーネル「Nanoexec」を用いたウェアラブル端末向けRTOS「UNISON RTOS」を紹介する。 - ルネサスがマイコンとMPUの全ラインアップに対応するVS Code向け拡張機能を提供
ルネサス エレクトロニクスは、同社のマイコンおよびマイクロプロセッサの全ラインアップに対応する、Microsoft Visual Studio Code向けの拡張機能の提供を開始した。同社独自の統合開発環境「e2 studio」を補完する。 - HMI機能を搭載した32ビットマイコンを販売開始
ルネサス エレクトロニクスは、HMI機能を搭載した32ビットマイクロコントローラーの新製品「RX671」の販売を開始した。非接触操作に対応すべく、静電容量式タッチセンサーユニットを搭載している。 - チップからクラウドまで、ルネサスの組み込み向け基盤がAzureをサポート
ルネサス エレクトロニクスの組み込み向けシステムプラットフォーム「Renesas Synergy」の「AE-CLOUD2」キットと「RX65Nクラウド通信評価キット」が「Microsoft Azure」のサポートを開始する。 - 滑らか制御のレゾルバ付きステッピングモーター、ロボット市場を開拓できるか
ミネベアミツミは、「2019国際ロボット展(iREX2019)」において、ルネサス エレクトロニクスと共同開発したロボット用モーターソリューションを展示。新方式のレゾルバ付きステッピングモーターにより、低速から高速まで高精度かつ静粛な制御を行うことが可能で、小型搬送機、サービスロボット、産業用ロボット、介護ロボット向けに提案する。 - IPライセンスを拡大、7nmプロセスのTCAMやEthernet TSNなどを追加
ルネサス エレクトロニクスは、半導体の設計情報であるIPの販売を拡大する。7nmのSRAMやTCAMなど先端プロセスのIPや、Ethernet TSNなど先進規格のIPなどを提供する。