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製造業に広がるメタバース活用、設計/生産/品質管理の事例を見る(後編)デジタルツイン×産業メタバースの衝撃(3)(4/5 ページ)

本連載では、「デジタルツイン×産業メタバースの衝撃」をタイトルとして、拙著の内容に触れながら、デジタルツインとの融合で実装が進む、産業分野におけるメタバースの構造変化を解説していく。

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トヨタをはじめ日本企業にも広がる統合型の製造メタバース

 自動車業界を例にとっても、OmniverseはBMWだけでなくメルセデス(Mercedes)や、ボルボ、GM(General Motors)などさまざまな企業に広がっている。Omniverseや製造業における工場メタバースとしては、個別に存在しているデジタルツインやシミュレーションを統合した「全体最適」により価値を発揮する。

 日本企業は個別の機能について強みを有しているが、こうした全体をつなぎ、製造をシステム全体として捉えた取り組みは取り組みが遅れがちであった。しかし、図7のようにトヨタ自動車はじめ日本企業においても全体を統合したシミュレーションとしてのOmniverseの活用が拡がってきていることは、日本企業のモノづくりでもDX(デジタルトランスフォーメーション)の構造、メタバース×デジタルツイン活用の構造が変化していることを示している。


図7:自動車領域でのNVIDIA Omniverseの導入事例[クリックして拡大] 出所:NVIDIA

シーメンスによる電池工場のメタバース化の取り組み

 NVIDIAのOmniverseは、デジタルツイン大手のシーメンスと連携して製造業のメタバース展開を加速している。ノルウェーの電池企業のフレイル(FREYR)において、電池工場をメタバース化している。工場ごとのメタバースが構築され、それぞれの工場の地理的状況や、工場レイアウト、設備運用/保守、KPI/オペレーション状況/パフォーマンスなどを確認/シミュレーションすることができる。


図8:シーメンス/NVIDIAによるフレイルの電池工場メタバース[クリックして拡大] 出所:NVIDIAのブログ動画より

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