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日立が組織再編でLumada協創サイクルを強化、海外ITサービス売上高1兆円に向け製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

日立製作所は、2023年11月1日付で実施するHitachi Vantaraの再編とITプロダクツ事業の会社分割による組織再編の狙いについて説明した。

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 日立製作所(以下、日立)は2023年10月31日、東京都内とオンラインで会見を開き、同年11月1日付で実施するHitachi Vantaraの再編とITプロダクツ事業の会社分割による組織再編の狙いについて説明した。ITプロダクツ事業を傘下に収めることでストレージサービスなどのデータインフラストラクチャ事業を開発製造販売が一体となって推進する新生Hitachi Vantaraと、OT(制御技術)×IT(情報技術)のインテグレーションに特化して新しく発足する「Hitachi Digital Services LLC(以下、Hitachi Digital Services)」、2021年7月の買収後も成長著しいデジタルエンジニアリング子会社のGlobal Logicを中核とした体制により、海外ITサービス事業の売上高目標である1兆円を2025〜2027年度の次期中期経営計画「2027中計」の早い段階での達成を目指す。

会見の登壇者
会見の登壇者。左から、日立ヴァンタラ 取締役社長に就任予定の島田朗伸氏、Hitachi Vantara CEOのシーラ・ローラ氏、日立 執行役副社長 デジタルシステム&サービス統括本部長の徳永敏明氏、日立 執行役専務 クラウドサービスプラットフォームBU CEOの阿部淳氏、Hitachi Digital Services CEOのロジャー・レヴィン氏[クリックで拡大] 出所:日立

 今回の組織再編は、DSS(デジタルシステム&サービス)セクターのクラウドサービスプラットフォームBU(ビジネスユニット)の傘下に位置付けられる米国子会社のHitachi Vantaraを対象に行われる。2023年11月1日付で、Hitachi VantaraでOT×ITインテグレーションを手掛けてきたデジタルソリューション部門をHitachi Digital Servicesとして分社化する。前身の日立データシステムズ時代から海外向けのストレージサービスの販売を担ってきたHitachi Vantaraのデータインフラストラクチャ部門は、ストレージシステムの開発と製造を行う日立のITプロダクツ事業が吸収分割によって2024年4月1日付で独立する「日立ヴァンタラ株式会社」を傘下に収め、Hitachi VantaraのCEOをトップとして開発製造販売一体の連結経営を行うことになる。

組織再編の概要
組織再編の概要[クリックで拡大] 出所:日立

 なお、新生Hitachi VantaraのCEOには、これまでデータインフラストラクチャ部門のプレジデントを務めてきたシーラ・ローラ(Sheila Rohra)氏が、日立ヴァンタラの取締役社長にはITプロダクツ統括本部 統括本部長の島田朗伸氏が就任する。Hitachi Digital ServicesのCEOには、Hitachi Vantaraのデジタルソリューション部門のプレジデントとして同部門の成長と利益改善をけん引してきたロジャー・レヴィン(Roger Lvin)氏が就任する。

組織再編の狙い
組織再編の狙い[クリックで拡大] 出所:日立

生成AIによる変化を捉えOT分野とのシナジーを加速

 日立 執行役副社長 デジタルシステム&サービス統括本部長の徳(実際の漢字は右下の心の上に一が入る異体字)永敏明氏は「今回の組織再編はDSSセクターのみならず、日立全体がグローバルに“One Hitachi”で力強く成長していくためのものだ。かつてないパラダイムシフトを起こしている生成AI(人工知能)による変化を捉えつつ、日立のデジタルケイパビリティーの強化を通じて、最大の強みである鉄道、エネルギー、産業といったOT分野とのシナジーを加速して価値を創り出していくことを目的としている。2024年度までの中期経営計画『2024中計』の達成だけでなく、その先の2027中計でもグローバル事業を力強く成長させていくために必要な取り組みになるだろう」と語る。

 今回の組織再編を行うクラウドサービスプラットフォームBUは、企業のデータ活用を主眼に置きながら、オンプレミス/プライベートクラウドとパブリッククラウドをシームレスにつなぐハイブリッドクラウドに注力してきた。日立 執行役専務 同BU CEOの阿部淳氏は「さまざまなデータの利用が必要になる一方で、自社データの取り扱いにも注意を要する生成AIでは、高いセキュリティのオンプレミス/プライベートクラウド環境とアジリティの高いパブリッククラウドを組み合わせたハイブリッドクラウドが鍵になる」と説明する。

クラウドサービスプラットフォームBUのこれまでの取り組み
クラウドサービスプラットフォームBUのこれまでの取り組み[クリックで拡大] 出所:日立

 日立がハイブリッドクラウドを展開していく上では、仮想化技術や高いレベルのデータ保護を可能にするストレージ、レガシーシステムをクラウドに移行するクラウドインテグレーション、複雑なハイブリッドクラウドを適切に管理するマネージドサービスなどが強みとなる。まずは、Hitachi Vantaraと日立ヴァンタラで開発製造販売一体の体制を構築することにより、ハイブリッドクラウドを中核とした企業のミッションクリティカルデータ管理を担う最適なデータインフラストラクチャを短期間で提供できるようになるという。

新生Hitachi Vantaraが提供するデータインフラストラクチャプロダクト
新生Hitachi Vantaraが提供するデータインフラストラクチャプロダクト[クリックで拡大] 出所:日立

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