シリコーンとアルミナセラミックスベースの光造形方式3Dプリンタ用レジン:3Dプリンタニュース
Formlabsは米シカゴで開催の展示会「FABTECH」で、SLA光造形方式の3Dプリンタ用レジン「Silicone 40A」と「Alumina 4N」を発表した。純度100%のシリコーン部品と、同99.99%のアルミナセラミックス部品の3Dプリントが可能になる。
Formlabsは2023年9月13日、米シカゴで開催された展示会「FABTECH」において、SLA光造形方式の3Dプリンタ用レジン「Silicone 40A」と「Alumina 4N」を発表した。3Dプリンタ「Form 3」「Form 3+」「Form 3B」「Form 3B+」に対応し、価格はSilicone 40Aが4万6000円(1L)、Alumina 4Nが16万9000円(750mL、2kg)だ。
Silicone 40Aは、独自開発の技術「Pure Silicone Technology」を用いた化学処理により製造した100%純シリコーンの光硬化性レジン。シリコーン本来の柔軟性や耐薬品性に加え、230%の破断伸び、34%の反発弾性、ロスフレックス屈曲疲労試験で50万サイクル超を記録した高水準な耐久性を備える。
TSCA(有害物質規制法)登録と生体適合性認証取得後は、ガスケットやシール、グロメットなどの部材や消費者向け製品、シリコーン型などの用途を想定する。
Alumina 4Nは、バインダー(凝固剤)となる光硬化性レジンにセラミック粉末を充填(じゅうてん)した材料で、純度99.99%のアルミナセラミックス部品の3Dプリントが可能。プリント後に脱脂と焼結を経て仕上げるワークフローとなり、脱脂は最高1000℃の空気環境で4〜5日、焼結は最高1510℃で2日間の工程スケジュールを推奨する。アルミナセラミックスは絶縁性や耐薬品性など優れた特性を備え、電気電子設備機器や半導体、自動車業界向けなどに用途が拡大している。
Alumina 4Nのプリントには、SUS製のビルドプラットフォームと専用の洗浄溶剤「Formlabs Ceramic Wash Solution」が必要となる。他社製品のオーブンも使用し、1〜2週間程度の工程スケジュールを要する。
FABTECHでは同時に、造形設定のチューニングやサードパーティー製を含むFormlabs認可済み材料を提供するサービス「Open Platform」を発表した。熟練ユーザー向けには、あらゆるサードパーティー製の波長405nmの光硬化性レジンが使用可能となる有償ライセンスを提供する。
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