ソフトウェア定義自動車の標準化へ、Armが支えるSOAFEEの活動が本格化:組み込み開発 インタビュー(2/3 ページ)
ArmプロセッサをベースにSDV(ソフトウェア定義自動車)の標準化を進めるSOAFEEが、2021年9月の立ち上げから2年を迎えた。SOAFEEの活動を支援するArmのオートモーティブ事業部門の担当者に、現在の活動状況について聞いた。
自動運転ソフトウェアの「SOAFEE Blueprint」で成果
SOAFEE Blueprintは、自動車の制御と関わるミッションクリティカルレベルごとに分けて作成が進められており、自動運転ソフトウェア、IVI(車載情報システム)、コネクテッドカー&セキュリティの3つが想定されている。今回成果が出たとするのが、最もミッションクリティカルレベルが高い自動運転ソフトウェアである。
SOAFEE Blueprintの構成は、Armベースのハードウェアプラットフォームとファームウェアの「SystemReady」の上に、EWAOL(Edge Workload Abstraction and Orchestration Layer)と呼ぶミドルウェア、そしてアプリケーション層となるコンテナが乗るというイメージだ。SOAFEEでは、コンテナのデプロイなどを制御するオーケストレーターを中核としたEWAOLによって、Armベースのハードウェアとコンテナアプリケーションをどのように組み合わせても、自動車メーカーが想定する自動車の機能を実現できることを目指している。
そして、SOAFEE Blueprintの自動運転ソフトウェアにおいて、アプリケーション層のレファレンスに採用されたのがティアフォーの「Autoware」である。オープンソース化された自動運転システム用ソフトウェアとして広く知られるAutowareだが、発足時のメンバーであるティアフォーがSOAFEEの活動に大きくコミットしていることがうかがえる。
デイ氏は「2023年3月にドイツで開催された『Embedded World 2023』では、NXPのセーフティMCUの『S32Z』とADLINKの『AVA』をネットワーク連携して、このSOAFEE Blueprintを動作させるデモンストレーションが披露された。SOAFEEの活動は着実に進展していることの表れだ」と強調する。
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