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業務効率化の道具箱(16)上司の指示が「言語明瞭、意味不明」で困っています山浦恒央の“くみこみ”な話(169)(1/3 ページ)

ソフトウェア開発にとどまらない、PCを使う全ての人が対象となるシリーズ「業務効率化の道具箱」。第16回は、これまで取り上げてこなかった「働き方を工夫する」をテーマに、困った上司の作業指示にどう対応していくかを考える。

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1.はじめに

 本シリーズでは、日頃の作業を効率化し、定時で帰宅する方法を紹介しています。主な業務効率化の例は、下記の通りです(詳しくは第154回を参照)。

  • スペックの高い機器を導入する
  • 使用機器を使いこなす
  • ツールを導入する
  • 自分でツールを作る
  • 働き方を工夫する

 今回は、これまで取り上げてこなかった「働き方を工夫する」がテーマです。

⇒連載「山浦恒央の“くみこみ”な話」バックナンバー

2.なぜ働き方を工夫するのか

 本シリーズでは、さまざまな効率化に関するトピックを紹介しています。その中の有力な方法としては、「使用機器を使いこなす」「ツール導入」「自分でツールを作る」を挙げています。

 上記を進めることで業務を効率化できる可能性はありますが、まだカバーできていないことがあります。例えば、いくら効率化をしても「無駄な作業をしてしまった」など、そもそもの働き方を考えていないからです。

 今回は、より効率的に働くために「働き方を工夫する」に着目します。

3.作業指示って難しい

作業指示
※写真はイメージです

 現代の大規模/複雑化した業務は、生産性の観点から1人で完遂することは非常に困難であり、チームとして開発し、業務に当たる必要があります。これは、マネジャーをトップとして、ピラミット構造に部下がぶら下がり、作業指示を行うことに相当しますね。

 一般的にマネジャーは、作業者の上司にあたり、部下に対して作業を指示します。例えば、「要求仕様書を作りたい」「コピーを取ってほしい」「会議の議事録を作成してほしい」などの要望です。作業が円滑に進むかどうかは、上司の指示1つで変わります。例えば、「1時間で終わると思った作業に1日かかった」「作業指示がゆがんで伝わり、見当違いの作業をしてしまった」などの問題が発生するためです。

 問題が発生すると、上司は部下に原因があると考えがちですが、もともとの作業指示をする上司に原因がある場合も少なくありません。今回は、筆者が今までに経験した、困った上司からの作業指示を独断と偏見でタイプ分けし、上司と部下、両者の目線から解説します。皆さんは、自分の業務に置き換えて読み、心当たりがないか考えてみてください。

4.タイプ別:困った上司からの作業指示

4.1 プーチン大統領タイプ(とにかく話が長い……)

 共産圏の指導者の演説は長いことが多く、中でも、ロシア大統領のウラジーミル・プーチン氏の演説は4時間を越えることも当たり前といいます。プーチン大統領系の長話タイプの上司は、うんざりするほど必要以上に長く指示します。10分で済む話を30分に引き伸ばされると、最初の話を忘れますね。

4.1.1 上司の立場

 上司は、作業の問題点を洗い出すため長話をしがちです。特に、部下が行き当たりばったりの作業をしないか気にします。例えば、仕様書を作成する場合、「顧客との合意はできている?」「過去に同機種でバグがあったけど、対策できている?」など、気が付いたことを延々と話す結果、長話になります。

4.1.2 作業者の立場

 作業者側の目線では、長話タイプは作業時間が削られるため大いに迷惑です(必要な長話もありますが)。例えば、1時間で終わる指示を2時間かけたとします。この場合、部下の作業時間は1時間減りますね。上司は、「指示したからもう終わり」との気分でしょうが、作業者は指示を受けてからがスタートです。

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