飲酒運転で奪われる命と、責任の取り方:自動車業界の1週間を振り返る(1/2 ページ)
今週は米国メディアの日本語版Webサイトで興味深い法律のニュースを見掛けました。飲酒運転で子どものいる人を死なせた場合、加害者はその子どものための養育費を支払わなければならない、という法律です。
1週間お疲れさまでした。少し涼しくなってきましたね。今週は米国メディアの日本語版Webサイトで興味深い法律のニュースを見掛けました。飲酒運転で子どものいる人を死なせた場合、加害者はその子どものための養育費を支払わなければならない、という法律です。
飲酒運転の被害者家族を支援するこの法律は、2021年に米国ミズーリ州で初めて提出されました。同州在住のセシリア・ウィリアムズさんは、飲酒したドライバーによる衝突事故で2021年4月に息子夫婦と孫2人を亡くしています。現在は残された孫2人を養育しているそうです。
ウィリアムズさんの働きかけでミズーリ州以外でも同様の法律の導入検討が広がっており、テネシー州では他の州に先駆けて2022年に成立したそうです。加害者は、被害者の家族である子どもが18歳になるまで養育費を毎月支払わなければなりません。費用は裁判所が決定し、収監中で支払えない場合は釈放後1年以内に支払いを開始する必要があります。
罰金や懲役に従えば法律上は償ったことになりますが、被害者や残された家族の生活が大きく変わってしまったのを置き去りにするべきではありません。特に、飲酒運転による事故は飲まなければ起きておらず、防げたかもしれないのですから。
被害者が亡くなったことによる損害や損失を金額で表すのは簡単なことではありませんし、そのお金によって残された人の気が晴れるわけでもありません。保護者、配偶者、子ども、親など血縁者、法律的なつながりはないが大切な相手など、どの間柄でも亡くすことで生活に大きな変化が起きてしまいます。
「事故による変化」に優劣や序列はありませんが、子どもが保護者を亡くすことの影響は計り知れません。自分の飲酒運転で命を奪った保護者の代わりに養育費を支払うのは、責任の果たし方の1つであると思います。
飲酒運転となる血中アルコール濃度の基準は国によってさまざまですが、「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」というシンプルなルールはなかなか守られないようです。自分は大丈夫だという油断や、アルコールに対する依存など、さまざまな理由があるのでしょう。
被害者救済だけでなく、飲酒運転をさせない仕組みや、繰り返させないための対策も必要ですね。飲酒運転による悲惨な事故が起きるたびに「なぜアルコールを検知して運転できないようにしないのか」という声が上がります。
日本損害保険協会の集計によると、日本国内で起きた2022年の飲酒運転事故件数(第1当事者が原付以上)は2167件でした。
件数自体が多かったワースト3は東京都(166件)、大阪府(159件)、千葉県(123件)でしたが、運転免許保有者10万人当たりの事故件数は沖縄県(5.9件)、宮崎県(5.6件)、滋賀県(5.1件)の順で多かったそうです。
PHEVにも力が入り始めた
飲酒運転、交通事故、渋滞、大気汚染など、未来のクルマには解決してほしいことがたくさんありますね。未来のクルマといえばモーターショーです。ドイツ・ミュンヘンではモーターショー「IAAモビリティ2023」が9月10日(現地時間)まで開催されました。現地に行けないのでプレスリリースや各社の報道を眺めるだけですが、さまざまな変化の兆しがみられたようです。
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