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出でよ熱き妄想家たち! 空飛ぶじゅうたん活用アイデア募集、実装の必要もなしFAニュース(1/2 ページ)

ベッコフオートメーションは東京都大田区に「ベッコフ共創ラボ」を開設した。さらに開設記念として「XPlanarアイデアソン2023」を実施する。

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 ベッコフオートメーション(以下、ベッコフ)は2023年8月22日、東京都大田区に新設した「ベッコフ共創ラボ」でオープニングイベントを開催。同イベントにおいて、ベッコフ共創ラボ開設記念として、同社製品「XPlanar」の活用アイデアを募集する「XPlanarアイデアソン2023」を実施すると発表した。

技術者に新たな技術の用途を考える機会を提供

 磁気浮遊式搬送装置であるXPlanarは、平面タイル上に発生させた電磁場を変化させることでマグネットプレートを浮遊させ、いわば「空飛ぶじゅうたん」となってワークを搬送することができる。それぞれの可動子は独立して移動でき、プログラムされた軌道を1枚の可動子が個別に移動したり、複数の可動子が整列して移動したりすることも可能だ。

 可動子はXYZ軸の移動に加え、最大5度の傾斜と360度の回転機能により、最大6自由度を持つ。製品搬送だけでなく、処理ステーションでの自由なマテハンを可能にする。

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 可動子とタイルは非接触なため摩耗や劣化が起こらず、メンテナンスは容易。タイルのレイアウトも自由に変えられ、可動子の退避、追い越し用のスペースやロボットを設置する空間を用意することもできる。


ベッコフの川野俊充氏[クリックで拡大]

 ベッコフ 日本法人 代表取締役社長の川野俊充氏はアイデアソンの開催について「さまざまなユーザーと接する中でいろいろな相談を受けるが、一番心が痛むのは『新しい技術に関心は高いが用途を検討する機会に恵まれない』という内容だ。どの業界でもエンジニアがそういった悩みを抱えていた。彼らは有能でエネルギーもあって、いろんな“妄想”を持つ妄想家たちだ。空飛ぶじゅうたんを自由に使えるとしたら何をするか。新たな技術に接し、用途を考える機会を一緒に作りたい」と思いを語る。

 参加資格は特に問わない。個人や団体、法人、学生も応募可能だ。アイデアの提出も「1枚の企画書やスケッチでもいいし、シミュレーションの動画を作って送ってきてもいい。形は問わない」(川野氏)。応募したアイデアおよび創作した知的財産権は発表者に帰属する。それらの意思確認も行う。

 「アイデアを実装する必要はない。XPlanarを触ったことがなくてもいい。同業他社の応募も歓迎する。ぜひ新しい発想を出してほしい」(川野氏)


Scrambleの川節拓実氏[クリックで拡大]

 ロボット競技を通して次世代のエンジニアを育成する、次世代ロボットエンジニア支援機構(Scramble)も審査に協力する。Scrambleのロボットコンテスト出場チーム支援事業やFA設備技術勉強会などが、今回のアイデアソン開催の参考になっており、アイデアソンの企画立案に関してもベッコフはアドバイスを受けたという。

 Scramble 代表理事で大阪大学大学院基礎工学研究科 助教の川節拓実氏は「ロボット競技会もエンジニアの育成に大きな効果がある。アイデアソンに向けて共創する中で、新しいアイデアやイノベーションが生まれてくることを期待している」と語る。

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