好調DMG森精機の2023年度上期決算の中身、EV/半導体/積層造形で何を語ったか:2023年1〜6月期決算(1/2 ページ)
DMG森精機は2023年度上半期(2023年1〜6月)の決算について説明。売上高は前年同期比14.4%増の2495億円、営業利益は同27.5%増の226億円だった。2023年度の売上高、営業利益の見通しも上方修正した。
DMG森精機は2023年8月3日、オンラインで記者会見を開き、2023年度上半期(2023年1〜6月)の決算について説明した。売上高は前年同期比14.4%増の2495億円、営業利益は同27.5%増の226億円だった。連結受注額は同8%減の2758億だったが、平均受注単価は5680万円と前年度の4980万円から伸長した。
2023年度の売り上げ、営業利益を上方修正
工程集約を図る5軸加工機、複合加工機などを中心に自動化、ターンキー化の需要増や補修部品、サービス部門の伸びおよび為替が一層の単価向上につながった。機械の販売数自体は減少し、グローバル給与改定などで人材投資が106億円増加しながらも、値引き率の削減などで営業利益率は9.0%となり前年同期比8.1%から上昇した。
機械本体の受注残高は2022年12月末の2540億円から増加して2820億円となり過去最高水準となった。これらにより2023年度の売上高の見通しは従来計画の5000億円から5250億円へ、営業利益は500億円から525億円へと上方修正した。
2023年末の機械本体の受注残高は2550億円程度になるとみる。DMG森精機 代表取締役社長の森雅彦氏は2024年度に関して「2023年度以上の数字が出せるのではないか」と述べ、売上高は2023年度見込み比で6.7%増の5600億円、営業利益は同14.3%増の600億円を予想している。
中国は10%前後になるようにマネジメント
地域別の受注推移では日本と中国を除くアジア、欧州は堅調に推移した他、米州は横ばいも引き合いは好調とした。
中国に関しては第2四半期から大幅調整局面に入ったとする。森氏は「受注量は半分に落ち込んでいる。航空機、半導体産業に自由に売れなくなってきた。これ以上下がることはないと思うが、過度な期待も避けている。少なくとも6カ月、長ければ2年ほど続く」と話すが、もともと「われわれの主な市場は米州と欧州、日本。中国関係のビジネスは顧客管理を厳格にして、(グローバルから見た割合を)10%程度になるようにマネジメントしている」(同氏)ため、影響は最小限にとどめた形だ。
一方、日本の受注状況を受けて、森氏は設備投資への姿勢に懸念を示した。「2002年に傘下に収めた日立精機の機械が日本で1万台以上使われている。つまり、全て20年以上経過した機械ということになり、最新の機械ならCO2排出量を大幅に下げたり、3台を1台に集約したりすることができる。大事に長く使うことも非常に大事だが、生産性では明らかに太刀打ちできない。本来取り組むべき工程集約などが進んでおらず、(投資を)短いスパンで見過ぎている」(森氏)。
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