HD-PLC第4世代規格に準拠する小型/低消費電力の通信用LSIを量産出荷:組み込み開発ニュース
ソシオネクストは、HD-PLC通信用LSI「SC1320A」の量産出荷を開始した。国際標準規格IEEE 1901-2020に準拠し、200mWの低消費電力と3.3V単一電源、7×7mmの小型パッケージによる省スペース化を達成している。
ソシオネクストは2023年7月14日、HD-PLC(High Definition Power Line Communication)通信用LSI「SC1320A」の量産出荷を同年6月より開始したと発表した。
HD-PLCは、電力線や電話線、ツイストペア、同軸ケーブルなどに2M〜28MHzの高周波信号を重畳(ちょうじょう)し、通信網を構築する有線通信技術だ。国際標準規格IEEE 1901-2020では、マルチホップ技術と組み合わせることで、最大10kmの通信が可能となる。
SC1320Aは、IEEE 1901-2020に準拠した半導体設計用IPコア「第4世代 HD-PLC」を採用。ソシオネクストの信号処理、アナログフロントエンド、回路設計に関する技術により、HD-PLCの機能を持ちつつ、200mWの低消費電力と3.3V単一電源、7×7mmの小型パッケージによる省スペース化を達成した。SPI/UARTやEthernet MAC(RMII)などの汎用I/Oを内蔵し、家電機器やHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)、IoT(モノのインターネット)製品への搭載がしやすくなっている。
2023年7月に札幌市中央区で開業した都市型水族館「AOAO SAPPORO」は、SC1320Aを活用した高速電力線通信システムを導入している。水族館の生き物の生命維持システムLSS(Life Support System)を遠隔で監視することで、効率的な施設運営に役立てている。
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