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パナソニックが進めるリサイクル工程の自動化、エアコン室外機をAI活用で分解スマート工場最前線(1/2 ページ)

パナソニックHDなどは、エアコン外装自動分解設備と、分解に必要な情報を蓄積する分解データベースによるエアコン室外機外装自動分解システムを開発し、同設備を導入したパナソニック エコテクノロジー関東を公開した。

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 パナソニックホールディングス(以下、パナソニックHD) マニュファクチャリングイノベーション本部は2023年6月27日、エアコンの室外機をロボットで分解する「エアコン外装自動分解設備」と、分解に必要な情報を蓄積する「分解データベース」による「エアコン室外機外装自動分解システム」を導入したパナソニック エコテクノロジー関東(茨城県稲敷市)を報道陣に公開した。これらの設備は、同本部がパナソニック エコテクノロジー関東、三菱マテリアルと共同開発したものだ。

ロボットが室外機のカバーを分解する様子[クリックで再生]

 2001年に特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)が本格施行され、エアコン、テレビ、冷蔵庫/冷凍庫、洗濯機/衣類乾燥機の特定4品目の家電製品を小売業者が消費者から引き取り、製造業者などへ引き渡して有用部品や材料をリサイクルする仕組みが始まった。2022年4月時点で指定引き取り場所は全国に329カ所、リサイクル工場は全国に45カ所ある。

 パナソニック エコテクノロジー関東はパナソニックと三菱マテリアルの合弁会社として2004年に設立され、パナソニック、東芝、ダイキンなどが含まれるAグループの特定4品目を年間50万台以上受け入れている。


茨城県稲敷市にあるパナソニック エコテクノロジー関東

 エアコンの室外機は冷媒のフロンを回収後、熱交換器、コンプレッサー、制御基板などの部品を手作業により分解、回収する。その後にシュレッダーによる破砕ならびに素材選別を行っている。屋外に設置されている室外機は汚れやサビなどの付着が多く、メーカーによってサイズやデザインなどが異なっており、これまで分解工程の自動化が困難だった。ただ、季節による入荷量の変動も大きく、人手不足などに対応するためにも自動化を進める必要があった。


パナソニック エコテクノロジー関東の小林靖弘氏

 パナソニック エコテクノロジー関東 社長の小林靖弘氏は「Aグループには18社が含まれている。非常に多くの型番がある他、状態も新品に近いものから20年近く使ったものまであり、同じのものが目の前に並ぶことはほぼない」と語る。

 パナソニックHD マニュファクチャリングイノベーション本部ではこれまでにも、AI(人工知能)を活用した薄型TVの解体部品の自動ピッキングや、レーザー光を活用した冷蔵庫のガラス扉リサイクルの新工法などを開発してきた。


パナソニックHDの阿部成孝氏

 今回は、エアコン室外機の分解工程における外装のビス外しから各カバーを外す工程までの自動化に成功した。パナソニックHD マニュファクチャリングイノベーション本部 マニュファクチャリングソリューションセンター 主幹技師の阿部成孝氏は「素材ごとに高純度に分解することでより資源効率を高められ、丁寧に分解することで再使用可能な機能部品を取り外すことができる。そのためには異物を入れず、部品を傷つけない丁寧な解体が必要」と話す。

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