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中国ブランドに押されて販売見通しを下方修正、新車攻勢で巻き返し電動化(1/2 ページ)

日産自動車は2023年4〜6月期の決算を発表した。売上高が前年同期比36.5%増の2兆9177億円、営業利益が同98.1%増の1286億円、当期純利益が同123.9%増の1055億円となった。

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 日産自動車は2023年7月26日、2024年3月期第1四半期(2023年4〜6月期)の決算を発表した。売上高が前年同期比36.5%増の2兆9177億円、営業利益が同98.1%増の1286億円、当期純利益が同123.9%増の1055億円となった。

 2023年4〜6月期の小売販売台数は前年同期比3万台減(3.7%減)の78.9万台だったが、販売の質の改善もあり、増収増益を確保した。地域別に見ると中国では同13.7万台減(45.8%減)と大幅に販売が減少したが、中国以外の地域では同20.4%増と好調で、中国での販売減少による影響をやわらげた。中国での小売販売台数は2023年1〜3月、同年4〜6月と続けて前年同期から大きく減少している。

2023年4〜6月期の台数実績(左)。2023年4〜6月期の業績(右)[クリックで拡大] 出所:日産自動車

 地域別に見ると、日本が前年同期比1.7万台増(19.1%増)、北米が同8.1万台増(33.1%増)、欧州が0.5万台増(7.2%増)となった。日本では「セレナ」の販売台数が好調。台当たり売上高は同20%増となった。北米は「ローグ」「セントラ」が好調で、販売/生産ともに大幅増となった。欧州は「キャシュカイ」「ジューク」が好調で、台当たり売上高は同24%増となった。

 中国以外での販売台数の増加や販売の質の改善が、営業利益の増加に大きく貢献した。販売費用や価格改定なども含めた販売面の取り組みが1607億円の増益要因となった。生産や物流、インフレ影響などのコスト増、販売金融などその他の減益要因を吸収した。リチウムなどバッテリー関連の材料を除くと原材料価格は全体的に下落傾向にあるという。

 生産台数も中国では前年同期比11.4万台減(36.0%減)となったが、中国以外は15万台増(30.5%増)で、全体としては4.4%増のプラスだった。

2023年4〜6月期の地域別の業績。日本(左)と北米(右)[クリックで拡大] 出所:日産自動車
2023年4〜6月期の欧州の実績(左)。営業利益の増減要因(右)[クリックで拡大] 出所:日産自動車

2023年度通期の見通し

 2024年3月期通期(2023年度)の業績見通しは為替の好影響を反映して上方修正した。前回の見通しから売上高が2000億円増の12兆6000億円(前年度比18.9%増)、営業利益が300億円増の5500億円(同45.8%増)、当期純利益が250億円増の3400億円(同53.2%増)と見込む。

 2023年度の小売り販売台数の見通しは下方修正し、前回の見通しから30万台減(7.5%減)の370万台とした。2022年度の実績からは39.5万台増(12.0%増)となる。販売減少により中国での小売販売台数は前回の見通しから33万台減(29.2%減)を見込む。一方で、日本は1万台増(2.0%増)、北米が5万台増(3.8%増)、欧州が1万台増(2.6%増)に見直した。中国以外の地域での販売増加が利益面の上方修正に寄与する。

 想定為替レートは前回の見通しでは1ドル=130円、1ユーロ=135円だったが、今回は1ドル=132円、1ユーロ139円に修正した。

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