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私たちの給料は「付加価値の分配」の結果、ってどういうことだろう?:イチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(3)(5/6 ページ)
勉強した方がトクなのは分かるけど、なんだか難しそうでつい敬遠してしまう「経済」の話。モノづくりに関わる人が知っておきたい経済の仕組みについて、小川さん、古川さんと一緒にやさしく、詳しく学んでいきましょう!
付加価値分配を国際比較してみよう
こうした日本の状況は、国際的に見てどうなのでしょうか? なんだか日本では、労働者に比べて企業への分配が多いようにも感じるのですが……。
では、付加価値の分配状況について米国、ドイツと比較してみましょうか。
日本(上段)、米国(中段)、ドイツ(下段)の比較ですね。各国とも雇用者報酬が一番多く、次が営業余剰・混合所得(総)、最後に生産・輸入品に課される税-補助金という順番になっています。各項目の割合は同じくらいに見えます。
そうですね、OECDの区分ではざっくりとこのような分類となっていますが、雇用者報酬が大体全体の5割となっているのは共通しています。
雇用者報酬の対GDP比はいわゆる労働分配率に相当するわけですね。
そうです。では、他の国とも比べてみましょうか。主要国の分配面のシェアを見ていきましょう。
どの主要国も、おおむね雇用者報酬が5割前後となっていますね。イタリアがやや少なめですが。
はい、稼いだ付加価値のうち約半分は労働者に、約4割は企業、約1割が政府に分配されるといったバランスですね。
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