使用済み家電や工場の廃材が生きる「ノモの国」、パナソニックの環境技術が光る大阪万博パビリオン:脱炭素(1/2 ページ)
パナソニック ホールディングスは2025年開催予定の大阪・関西万博で出展するパビリオン「ノモの国」における環境配慮の取り組みを紹介した。
パナソニック ホールディングスは2023年7月12日、2025年開催予定の大阪・関西万博で出展するパビリオン「ノモの国」における環境配慮の取り組みを紹介した。端材や廃材を用いたリサイクル材を、建築材料として積極的に取り入れている。
使用済み家電の鉄や硝子、銅を活用
ノモの国はコンセプトとして「解き放て。こころと からだと じぶんと せかい」というコンセプトを掲げている。万博を通じて、人間と自然の営みが循環していることを意識しつつ、子供たちが自らの「ソウゾウする力」を開放できる体験の提供を目指す。
特に「循環」は万博全体を貫くテーマにつながるもので、パビリオンの建築においても同テーマを意識させるさまざまな建築のアイデアや環境配慮の工夫を取り入れている。環境配慮の面では、「家電製品由来のリサイクル素材」「工場で生じる端材や廃材」「世界中の廃材」などをパビリオンの建築材料として取り入れている点だ。パナソニックグループはこれを「3つの循環」というコンセプトで言い表している。
「家電製品由来のリサイクル素材」については、パナソニックグループが取り組みを進める、使用済み家電からの資源回収とリサイクル材の製品活用という資源循環の取り組みを生かしたものとなっている。使用済み家電から回収した鉄やガラス、銅などをパビリオンの建築材料として使う。具体的には、パビリオンの柱や梁に家電リサイクル鉄を、外構部の舗装ブロックに洗濯機由来のガラスを、幹線ケーブルに家電製品のプリント基板から回収した銅をそれぞれ活用する。
家電リサイクル鉄は接合部プレートや付帯鉄骨、リース部分、ファサードなどを除き、柱や梁全体の約98%に当たる約97トンが用いられる予定だ。パビリオンの解体後は再度リサイクルされて、パナソニックグループが製造する家電製品の素材になる。
洗濯機由来のガラスは舗装ブロックの一種であるインターロッキングブロックとして活用されるが、パナソニックグループによるとこれは「世界初の取り組み」になるという。ブロックによる舗装面積は749m2で、ドラム式乾燥機約4600台分のガラスが用いられることになる。インターロッキングブロックの再リサイクルは難しいため、パビリオン解体後は別の場所で活用する計画だ。
リサイクル銅は約891mに及ぶ幹線ケーブルの銅部分に使われ、使用量は約1.2トンになる見込み。パビリオン解体後はリサイクルして、パナソニックグループの工場で活用する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.