原材料高騰しても営業利益は過去最高に、生産拠点の国内回帰も進む製造業:ものづくり白書2023を読み解く(1)(4/6 ページ)
日本のモノづくりの現状を示す「2023年版ものづくり白書」が2023年6月に公開された。本連載では3回にわたって「2023年版ものづくり白書」の内容を紹介していく。
倒産数と休廃業数は増加傾向、新規開業も減少傾向
国内企業の倒産件数は、製造業と非製造業ともに2014年以降減少傾向で推移してきたが、2022年の製造業においては2021年と比較して約1割増加している(図20)。休廃業/解散件数については、製造業と非製造業ともに、2021年から増加しており、2022年の製造業においては2021年と比較してこちらも約1割増加している(図21)。
製造業の開業事業所数については、2021年度は2020年度と比較して約2割減少している(図22)。
設備投資、IT投資ともに投資額は増加
日本全体の設備投資額の推移をみると、2020年前半に新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響などにより減少し、同年第3四半期に底を打った後、2022年第2四半期には新型コロナウイルス感染症の感染拡大前の水準を上回り、増加傾向が続いている(図23)。
製造業における設備投資額は、2021年第2四半期から新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響が緩和されたことなどを受けて増加傾向が続いている(図24)。また、有形固定資産と無形固定資産への設備投資額の推移をみると、無形固定資産への投資額は、2022年には2015年比で約5割増加しており、有形固定資産の約1割と比べて高い増加率となっている(図25)。
製造業のIT投資について、2022年は約1兆7000億円と前年比で約2000億円の増加となり、化学工業、生産用機械器具製造業、電気機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、自動車・同付属品製造業において前年に比べて増加している(図26)。
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