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シャフトメーカーが生んだ製造業向けハンドクリーム、誕生のきっかけは新人のアイデアだったワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(6)(1/2 ページ)

本連載では、厳しい環境が続く中で伝統を受け継ぎつつ、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回は 回転軸の部品であるシャフトを製造、販売しているYSKさんを取材しました。

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MONOist編集部より

本連載はパブリカが運営するWebメディア「ものづくり新聞」に掲載された記事を、一部編集した上で転載するものです。

ものづくり新聞は全国の中小製造業で働く人に注目し、その魅力を発信する記事を制作しています。モノづくり企業にとって厳しい環境が続く中、伝統を受け継ぎつつ、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。



開発したハンドクリーム「びるふれ」と開発者の黒澤凜花さん 出所:ものづくり新聞

 回転軸の部品であるシャフトを製造、販売しているYSK(大阪府八尾市)は、製造業就業者向けのハンドクリーム「びるふれ」を自社開発しました。このハンドクリームは、製造業でよくある「切削油の付着による肌荒れ」を防ぐ保護クリームで、工場で働くスタッフが作業中でも使えるように作られています。


YSK工場内での作業風景(ものづくり新聞編集部撮影) 出所:ものづくり新聞

 びるふれは、YSKに新卒で入社された黒澤凜花(くろさわ りんか)さんが中心となって開発されました。シャフト製造と全くジャンルが違うハンドクリームをどうして作ろうと思ったのか、この製品が生まれた背景にどんなストーリーがあるのか、ものづくり新聞が取材しました。

 YSKは「シャフト王国」というコンセプトの基、1966年に設立されたシャフトメーカーです。現在は国内に5つ、海外に2つ拠点があります。ものづくり新聞は2022年にもYSKさんを取材し、製造部本社製造課課長代理の石川 大翼さんにお話を伺いました。(その時の記事はこちらです

 今回はびるふれの商品開発を2年前の入社当時から担当されている、経営企画課の黒澤凜花さんに取材しました。

シリコン成分で工業油から手を守る

――「製造業向けのハンドクリーム」というのは、他のハンドクリームとどんな違いがあるのですか?

黒澤さん 手の感覚を研ぎ澄まさないといけないような細かい作業は素手で行うことがあるのですが、その場合、「切削油」というものが手に付いてしまって、これを放って置くと手が荒れてしまうんです。

 例えば料理をしているとき、ギトギトした油が手に付くと、洗っても手に残っている感じがしますよね。ああいった感じになりにくくするために、シリコン成分で肌をコーティングし、工業油から手を守ってくれるハンドクリームになっています。


ハンドクリーム「びるふれ」(「びるふれ」公式サイトより)[クリックして拡大] 出所:ものづくり新聞

――商品名の「びるふれ」ですが、なかなか聞き慣れない言葉ですよね。どういった由来があるのですか?

黒澤さん これは実は私の名前(凜花)をドイツ語で書いた「vir Fortis Fragrantia(凛々しい花)」が元になっています。

 商品が出来上がってきて、名前をどうしようかという話になった時に、「作った人の名前でいいんじゃない?」という話が上がって。ちょっと恥ずかしいなとも思ったのですが、ドイツ語であればいいかなと思い、先に挙げた「vir Fortis Fragrantia」を省略した「virfra」から「びるふれ」に決定しました。

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