業務効率化の道具箱(13)便利なツールと裏腹の「地雷」を踏まないために:山浦恒央の“くみこみ”な話(166)(2/3 ページ)
ソフトウェア開発にとどまらない、PCを使う全ての人が対象となるシリーズ「業務効率化の道具箱」。第13回は、ツールの導入/運用時にありがちな「地雷」をケーススタディー形式で紹介する。
4.2 ケース2:自分で使わずに他人に任せる
導入したツールの操作方法を覚える時間がなく、部下に操作を任せきりにした
筆者がマネジャーのときの話です。新プロジェクトでは、従来のExcel管理のスケジュールから、スケジュール管理ツールへ移行することにしました。しかし、操作方法を覚える時間がなく、筆者がExcelベースで作成したスケジュールを部下に、「ここをこんな感じにして入れといて。後はよろしく!」と丸投げしてしまいました。最終的に、そのツールを使用する場合は、部下を経由しないと編集ができない状態となりました。
これは筆者のダメダメな経験で、ツールを効果的に運用するには、チーム内の協力度合いも重要です。筆者は、多忙のため、ツール操作を部下に任せきりにしてしまいました。これでは、部下でないとツールを使用できないといういびつな状態となり、残念な運用結果となりました。
4.3 ケース3:“導入効果”のプレッシャー
ツールの導入効果を出すように、上司から厳しくプレッシャーをかけられ辛かった
コストをかけたからには、リターンが必要です。例えば、外部の会社に100万円で自動化ツールを作成してもらうとします。この場合、エンジニアの単価を1人月100万とすると、少なくとも100万円分のリターンが必要です。
ツール導入後、上司にしつこく言われることが、「それで、費用対効果はどうなの?」でしょう。予算を承認する上司としても、自動化ツールを作るのだから改善効果を知っておきたいところです。
そこで、筆者は部下に対して「前後の比較結果を教えてほしい」と依頼しました。しかし、「大体××時間ぐらい短縮できたと思いますが、あんまり覚えてないっす」と言われ、筆者の管理不足に絶望します。最終的には、そういったあいまいな情報からそれらしい資料を作り、何とかやり過ごしました。
4.4 ケース4:「ツールの実現可能性」がはっきりしない
当初、ツールを使用して業務を進めようと思ったが、操作方法が分からず、「ツールの実現可能性」がはっきりしなかった。最終的には、目的は達成できたが、スケジュールを圧迫し、迷惑を掛けてしまった。
このケースで筆者は、同僚から「あのツールを使用すると、目的のことができるらしい。ツールはあるから試してみるといいと思うよ」との情報をもらって、ツールを使用することにしました。
筆者はそのツールを使用したことありません。そこで、マニュアルから操作方法を学び、「多分できそう」というところまでのめどが立ちました。「これでいける」と思ったのですが、そこから問題が発生します。作業を進めると、目的の90%は達成できたのですが、100%には至りません。この残り10%に非常に苦労し、時間を浪費してしまいました。
今思えば、サポート窓口に問い合わせを行い、実現可能性を聞いて進めればよかったと反省しています。
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