コカ・コーラのあの人気製品も関東で生産開始、素材の風味生かす新ラインが稼働:スマート工場最前線(1/2 ページ)
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは海老名工場(神奈川県海老名市)で2023年4月から稼働している新たなアセプティック製造ラインをメディアに公開した。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは2023年5月29日、海老名工場(神奈川県海老名市)で同年4月から稼働している新たなアセプティック(無菌充填)製造ラインをメディアに公開した。
日本でのコカ・コーラの事業は、原液の供給と製品の企画開発や広告などのマーケティング活動を担う日本コカ・コーラと、原液から製品を製造し、物流から販売、回収、リサイクルまでを担うボトラー社の2つに分かれている。
1998年には全国各地に17のボトラー社があったが、その後、経営統合が進んで現在は5社に集約されている。その中で2017年に誕生したコカ・コーラボトラーズジャパンは1都2府35県をカバーし、年間の売り上げ規模は約8000億円、年間の販売数量は約5億ケースという国内最大規模のボトラー社となっている。
生産拠点は、北は宮城県から南は宮崎県まで全国各地に17工場、64ラインを擁する。その中で、1971年に完成した海老名工場は当初7ラインでガラス瓶や缶製品を製造していたが、現在はアセプティック×3、CSD(炭酸飲料)ボトル×1、ボトル缶×1の計5ラインを持ち、スポーツ飲料や炭酸飲料、緑茶、コーヒーなどを製造。17工場の中で岩槻工場(さいたま市岩槻区)、京都工場(京都府久御山町)に次ぎ3番目の生産量を誇る。敷地面積は9万1000m2、建屋面積は3万8000m2で、工場内で約200人が働いている。
アセプティック製造ラインでは製品液の段階で加熱殺菌した後、無菌環境下でボトルに充填する。従来の殺菌方式と比べると熱履歴が短いため、コーヒーやお茶などの本来のおいしさや風味を味わうことができる。充填を常温で行うため、ペットボトルの耐熱性が必要なく、使用材料も少なくて済む。
今回、海老名工場では従来ボトル缶を生産していたラインを置き換える形で新しいアセプティック製造ラインを導入。190ml、280ml、440ml、500mlのコーヒー飲料などを製造している。同ラインの生産能力は、1分間の製造本数を示すBPM(Bottle per minutes)で900本となっている。使われるペットボトルの容器も同じラインの中で製造している。
これまで西日本の京都工場と広島工場(広島県三原市)で製造して東日本まで配送していた製品を、海老名工場でも生産することで物流距離や保管効率の適正化を図る。
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