創業2年の商用EVベンチャーが“Appleのような”ファブレス生産を実現できた理由:電動化(1/4 ページ)
フォロフライ、丸紅、太陽インキ製造が東京都内で開催したプレスセミナー「急拡大するEV市場と、需要高まる注目セクション」から、講演「商用EVから加速する日本の自動車産業の電動化と、ベンチャーの起こすゲームチェンジ」と「自動車:電子部品最後のフロンティア」をお送りする。
フォロフライ、丸紅、太陽インキ製造は2023年5月31日、東京都内で、プレスセミナー「急拡大するEV市場と、需要高まる注目セクション」を開催した。本稿では、同セミナーで行われた講演「商用EVから加速する日本の自動車産業の電動化と、ベンチャーの起こすゲームチェンジ」と「自動車:電子部品最後のフロンティア」を紹介する。【訂正あり】
EV元年になった2022年
「商用EVから加速する日本の自動車産業の電動化と、ベンチャーの起こすゲームチェンジ」では、2021年8月に設立した商用EV(電気自動車)ベンチャーであるフォロフライ 代表取締役社長の小間裕康氏がEVの市況や同社のEV事業について説明した。
2022年の国内EV新車販売台数は前年比2.7倍の5万8813台で、新車販売数全体に占めるEVの割合が1.7%となり、年間で初めて1%を超えたことで、EV元年と呼ばれた。「しかし、中国は新車販売数全体に占めるEVの割合が21.1%で、欧州は10.3%、米国は5.8%と、それらの国と比べ日本はEVの普及が遅れている」(小間氏)。
普及しない要因としては「航続距離が短くて不安」「充電インフラが少ない」「車両価格が高すぎる」「車種が少ない」が挙げられるという。こういった状況を踏まえて、フォロフライは、物流分野でニーズの高いラストワンマイルをターゲットに、小型EVで現在唯一の物流営業ナンバーを取得した商用EVトラック「F1 VAN」や「F1 TRUCK」を開発した。サンプル出荷を2021年12月にスタートし、2023年6月に量産出荷を開始する。
F1 VANは、ラストワンマイル物流でも安心の航続距離300kmを実現し、EVでありながらガソリン車と同等の低価格を達成している。普通自動車免許で運転可能な車種で、最大積載量は950kgを誇る。F1 TRUCKは、荷台をフラットベッドタイプやカーゴボディータイプから選べ、冷蔵/冷凍などオリジナルで架装対応しており、農作業や生鮮食品の配送にも使える。航続距離はF1 VANと同じだが積載量は1150kgと大きい。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.