再生可能エネルギー由来電力を導入、国内32拠点で約38%のCO2排出量を削減:脱炭素
DICは、本社や支店、工場、研究所など、同社グループの国内32拠点で、小売電気事業者が提供するグリーン電力と非化石証書の導入を決定した。国内拠点の年間使用電力の約2億kWhが、実質再生可能エネルギー由来電力に置き換わる見通しだ。
DICは2023年5月16日、本社や支店、工場、研究所など、同社グループの国内32拠点で、小売電気事業者が提供するグリーン電力と非化石証書の導入を決定したと発表した。これにより国内拠点の年間使用電力の約2億kWhが、実質的に再生可能エネルギー由来電力に置き換わる見通しだ。
DICグループでは、2050年度カーボンネットゼロに向けて、2030年度のCO2排出量を2013年度比で50%削減する目標を掲げている。この目標達成には、購入電力の再生可能エネルギー化が不可欠となっており、解決策として、国内拠点でグリーン電力と非化石証書の導入を決定した。
既に本社ビルでは、2022年11月に、実質再生可能エネルギー由来電力への切り替えが完了している。本社以外の拠点は、2023年4月より順次導入を開始した。実質再生可能エネルギーに置き換わる約2億kWhの年間使用電力量は、同社グループが国内で排出するCO2の約38%に相当する。
小売電気事業者から提供されるグリーン電力とは、水力や風力、地熱、太陽光などの再生可能エネルギーで発電され、発電時に温室効果ガスが発生しない(と見込まれる)電力を指す。非化石証書は、再生可能エネルギーで発電した電気の環境的な価値を証明書にし、取引を可能にしたものとなる。
同社は、今後も積極的に省エネ設備の導入、省エネ活動を推進し、CO2排出量削減に向けた取り組みを進めていく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- DICがサプライチェーンを最適化するプラットフォームを運用、業務の属人性を排除
DICは、グローバルに展開している主力事業のサプライチェーン全体を最適化する「デジタルSCM(サプライチェーン・マネジメント)プラットフォーム」の運用を開始した。 - DICと出光興産がバイオプラのサプライチェーン構築、バイオPSの製造を開始
DICと出光興産は、新たなバイオマスプラスチックのサプライチェーン構築とバイオマスポリスチレン(バイオマスPS)の製造に向けた検討開始に合意したと発表した。 - IoTとデジタルツイン技術を活用した次世代樹脂生産プラントを共同開発
日立製作所とDICは、IoTとデジタルツイン技術を活用した次世代樹脂生産プラントを共同開発する。AIなどを用いた高精度な反応予測モデルを用いて、サイバー空間上で運転状況をデジタル化する。 - シーメンスヘルスケアが災害医療向け車両を開発、コロナ禍の発熱外来にも役立つ
シーメンスヘルスケアと医療法人の伯鳳会グループが共同開発した災害医療、発熱外来、健診、往診、巡回診療向けのアドバンストモビリティソリューション「Medical-ConneX(メディカル・コネクス)」について説明。1号機は、伯鳳会グループ傘下の東京曳舟病院に納入され、主に東京DMATと連携した災害医療向けに活用される計画だ。 - 抗ウイルス/抗菌機能を備えた3Dプリンタ用フィラメントを開発
DICは、抗ウイルス/抗菌機能を有した3Dプリンタ向け熱可塑性プラスチック材料を開発したことを発表した。抗ウイルス性/抗菌性に作用するフィラメントの開発は「国内初」(同社)だという。 - TSMCはなぜ台湾外初となる3DICのR&D拠点をつくばに設立したのか
台湾の半導体受託製造大手であるTSMCは2022年6月24日、茨城県つくば市の産業技術総合研究所つくばセンター内に設置した「TSMCジャパン3DIC研究開発センター」の開所式を行った。同センターでは半導体微細化の限界が予想される中、後工程の3次元パッケージ技術の量産を可能とするための技術開発を日本の材料メーカーや装置メーカー、研究機関との共同研究で実施する。