振動対策のアプローチについて考える:CAEと計測技術を使った振動・騒音対策(7)(4/4 ページ)
“解析専任者に連絡する前に、設計者がやるべきこと”を主眼に、CAEと計測技術を用いた振動・騒音対策の考え方やその手順を解説する連載。連載第7回では「振動対策のアプローチ」をテーマに、具体的な事例を交えながら振動対策案を考え出す手法を紹介する。
おまけ:ChatGPTで周波数分析
前回まで「離散フーリエ変換」の話とマクロ付きExcelファイルを配布してきましたが、今話題になっている「ChatGPT」で周波数分析のプログラムが作れるかを試してみました。
まず、以下の質問をChatGPTに問い掛けました。
FFTを実行するExcelマクロプログラムを教えて!
すると、プログラムコードが表示されました。それをそのままコピー&ペーストしてマクロプログラムを実行し、計算結果をグラフ表示すると図14のようになりました。
周波数に相当する軸がおかしいのは、元のデータに時間に関する情報がなかったからです。さらに、次の質問を投げ掛けました。
FFTで周波数とサンプリングピッチの関係を教えて!
すると、次式と変数の説明が表示されました。
kは0からN/2までの整数、Nはデータの点数、fsはサンプリングピッチとのことなので、周波数軸を計算すると図15のようになりました。
おおっ!! ちゃんと5[Hz]の周波数成分が検出されているではありませんか! こちらのマクロプログラムの方が計算速度が速いので、配布したExcelファイルを書き換えるとよいかもしれません。筆者は文筆業ではないのですが、「ChatGPT恐るべし!!」です。これからは原稿を書くときに先にChatGPTにいくつか質問しておいて、ChatGPTが答えなかった内容に重点を置いて執筆しようと思います。もちろん、外せない内容もありますので、ChatGPTが答えた内容も少しあっさり目にして記事にしておきます。最後に、「ギャグ、一発飛ばして」とChatGPTに質問してみましたが、この回答については筆者の毒舌の方が勝っているようでした。
Profile
高橋 良一(たかはし りょういち)
RTデザインラボ 代表
1961年生まれ。技術士(機械部門)、計算力学技術者 上級アナリスト、米MIT Francis Bitter Magnet Laboratory 元研究員。
構造・熱流体系のCAE専門家と機械設計者の両面を持つエンジニア。約40年間、大手電機メーカーにて医用画像診断装置(MRI装置)の電磁振動・騒音の解析、測定、低減設計、二次電池製造ラインの静音化、液晶パネル製造装置の設計、CTスキャナー用X線発生管の設計、超音波溶接機の振動解析と疲労寿命予測、超電導磁石の電磁振動に対する疲労強度評価、メカトロニクス機器の数値シミュレーションの実用化などに従事。現在RTデザインラボにて、受託CAE解析、設計者解析の導入コンサルティングを手掛けている。⇒ RTデザインラボ
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