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品質管理のための解析手法はどうすればデジタル化できるのか:トヨタ式TQM×IoTによる品質保証強化(7)(2/3 ページ)
本連載は、品質管理の枠組みであるトヨタ式TQMと、製造現場での活用が期待されるIoT技術を組み合わせた、DX時代の品質保証強化を狙いとしている。第7回は、品質管理のための解析手法をどうすればデジタル化できるかについて紹介する。
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3.リアルタイム判定と多角解析
品質判定の方法は主に「リアルタイム判定」と「多角解析」に分かれます。
(1)リアルタイム判定
最近増えている半導体関連製品は、1つ1つの製品の検査結果が合格になっていても一定のロットの母数に対して不良が一定量含まれている場合に最終判定を保留することがあります。
これは、最終試験でどれだけ多岐にわたる試験を行っても、目に見えない本当に細かな材料不良や加工工程における設備のちょっとした動作の問題で潜在的な不具合が発生するケースがあるためです。そのために、一度は試験結果が合格となった製品でも最終判定を保留し、ロット内の一部で不良と判定された製品の不良発生原因をしっかり突き止めて、その不良がそれらの製品だけの問題であると確認できてから保留を解除して出荷することになります。
そこで、1つ1つの検査結果をリアルタイムに判定し、不良の種類ごとに判定基準を自動計算して出荷可否を決めれば、それによってラインで完成した製品を精緻な判定基準で判定した上で出荷できることになるので、より高度な品質管理を実現できます(図3)。
(2)多角解析
多角解析は「2.QC7つ道具のデジタル化」で説明したビッグデータを解析する手法のことです。そのポイントは以下の3つになります。
- 各ラインに分散している情報を一元管理する
- ビッグデータの中から必要な粒度のデータをサンプリングしたり、データを圧縮したりすることで検索時間を短縮する
- 製品検査結果⇒工程検査結果⇒各工程の製造条件の関連情報を多角的に解析し、不具合発生時の要因特定や不具合発生の予兆を検知する
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