ニデックは2023年4月25日、2022年度(2023年3月期通期)の決算説明会を開いた。
2022年度の売上高は前年度比16.9%増の2兆2428億円、営業利益が同41.3%減の1000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同66.9%減の450億円だった。部門別にみると、精密小型モーターと「家電・商業・産業用」が減収減益、車載が増収減益、機器装置と電子・光学部品が増収増益となった。原材料価格の高騰やロシアによるウクライナ侵攻、中国のゼロコロナ政策などが収益を圧迫した。
2022年度の売上高は過去最高を更新した一方、構造改革費用757億円が営業利益を押し下げた。営業利益率は4.5%だ。構造改革費用の内訳は車載が541億円、家電・商業・産業用が124億円、精密小型モーターが56億円、機器装置が21億円、「電子・光学部品」が10億円となっている。当期利益は法人所得税費用750億円や非継続事業から損失20億円を計上した影響により減少した。
2023年度(2024年3月期通期)の業績見通しは、売上高が前年度比1.9%減の2兆2000億円、営業利益が同119.8%増の2200億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同266.6%増の1650億円とし、抜本的な収益構造改革による増益を見込む。営業利益率は10.0%に改善する。
車載事業は
2022年度通期は車載事業の売上高が5196億円、営業損益が422億円の赤字だった。2023年度は黒字化が大きな目標となる。
カギを握るのは、これまで収益を度外視して先行投入を優先してきたeAxleの原価低減だ。大幅にコストダウンした第2世代品への切り替えを迅速に進め、全体の7割まで増やす。収益度外視だった第1世代品も、低収益な機種の販売や受注を凍結するとともに原価低減を図り、黒字化につなげる。
第2世代品は順調に生産が立ち上がっており、2023年5月からはフル稼働で生産する。また、第2世代品の2つ目のラインアップとなる出力150kWのタイプも同月から展開していく。2023年4〜6月で4万台を超える生産を見込んでいる。バッテリー電圧800VのEVに対応したSiCパワー半導体採用のインバーターも市場投入がスタートするという。
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