最終用途部品の需要拡大に向け、独メーカーがSAF技術3Dプリンタを追加導入:3Dプリンタニュース
Gotz Maschinenbauは最終用途部品の需要拡大に向け、Stratasysの3Dプリンタ「Stratasys H350」を追加導入する。これによりGotzは、工業グレードの積層造形技術であるSAF技術で、数千もの樹脂部品を製造可能になる。
Stratasys(ストラタシス)は2023年3月30日(現地時間)、ドイツのGotz Maschinenbau(以下、Gotz)が最終用途部品の需要拡大に向け、3Dプリンタ「Stratasys H350」を4台から6台に増設すると発表した。
Gotzは、部品の旋削やフライス加工、溶接、組み立てを専門とする機械エンジニアリング企業。PolyJetやFDM(熱溶解積層)技術に基づく、Stratasysの3Dプリンタを導入している。
今回の追加投資により、Gotzが導入したH350 3Dプリンタは合計6台になり、工業グレードのアディティブマニュファクチャリング(積層造形)技術であるSAF(Selective Absorption Fusion)技術で、数千もの樹脂部品を製造可能になる。
H350 3Dプリンタは、競争力のある部品単価で、何千もの最終用途部品を一貫して生産できる。また、Gotzが量産レベルのプラスチック部品を製造するためには、同プリンタ用の樹脂「Stratasys High-Yield PA11」が不可欠だ。High-Yield PA11は、持続可能なひまし油から得られる再生可能な原材料から作られており、部品の一貫性を維持しながら、高い入れ子密度を提供する。
Gotzは、より硬い部品の製造には「SAF PA12」を使用している。SAF PA12は、厳しい公差が要求される用途に適した材料で、量産時に微細なフィーチャー分解能と必要な強度、精度を提供する。
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