コカ・コーラはここからあなたの街へ、自動化装置多数導入の新型物流施設公開:物流のスマート化(1/2 ページ)
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは埼玉工場内(埼玉県吉見町)で2021年から稼働している自動物流センター「埼玉メガDC」を報道陣に公開した。
コカ・コーラ ボトラーズジャパンは2023年4月7日、埼玉工場内(埼玉県吉見町)で2021年から稼働している自動物流センター「埼玉メガDC」を報道陣に公開した。
自動化を進めて複雑化したオペレーションを最適化
日本におけるコカ・コーラの事業は、日本コカ・コーラが原液の供給と製品の企画開発や広告などのマーケティング活動を行い、全国に5つあるボトラー社が原液から製品を製造し、物流から販売、回収、リサイクルに至るまでを担う構造になっている。
その中で、コカ・コーラ ボトラーズジャパンは1都2府35県をカバーし、年間の販売数量は5億ケース、日本におけるコカ・コーラ全体の販売数量の90%を占める。製造拠点は、北は宮城県から南は宮崎県まで17工場63ラインを持ち、営業拠点数は約300カ所、自動販売機は約70万台、配送車両は約1万1500台を有する。
ただ近年は時代の変化に対応するため、自動販売機やコンビニエンスストア、ドラッグストアなど販売チャネルが拡大した他、飲料容器も多様化。オペレーションが複雑になり、コストや労力が上昇していた。そこで2016年から物流体制の最適化を目指した「新生プロジェクト」がスタートし、約168億円を投じた埼玉メガDCの建設もその一環となっている。2022年7月には明石工場(兵庫県明石市)内に同様の設備を備えた明石メガDCも完成している。
メガDCではこれまで各拠点で行ってきた仕分けやピッキングなどの物流業務、在庫保管スペースを1カ所に集約し、製造から店舗、自動販売機などにタイムリーに製品を届けるネットワークを構築している。
埼玉メガDCは新設の自動倉庫棟や2000年から稼働している既存自動倉庫からなる。2つの建物を合わせて延べ床面積は3万3943m2、製品保管数量は約6万パレット、製品出荷能力は年間約8500万ケースとなっている。同じ敷地内の埼玉工場や各地製造拠点から製品が届く。
新しい自動倉庫棟には、多数の自動化設備を導入した。
海上輸送に用いられるRORO(roll-on/roll-off)ステーションを同社としては初めて設け、5台所有する専用トレーラーによる入出庫を自動で行えるようにした。このステーションでは、長い4本の爪がトレーラーへと伸び、最大30パレット、500mlペットボトル製品で約1500ケースを1度に荷役でき、出庫の際には前もって製品を準備しておくことでより効率化できる。フォークリフトでの作業と比べるとトラックへの積み込み、積み下ろし作業時間を約7割削減した。
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