大阪・関西万博でSkyDriveが国産の空飛ぶクルマを披露、ANAや丸紅は海外製を運航:モビリティサービス(1/2 ページ)
2025年日本国際博覧会協会は、「大阪・関西万博」内の「スマートモビリティ万博」で披露する空飛ぶクルマの運航事業を担う企業として、ANAホールディングスと米国のJoby Aviation(ジョビーアビエーション)、日本航空、丸紅、SkyDriveが決定したことを発表した。
2025年日本国際博覧会協会は2023年2月21日、東京都内で記者会見を開き、「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」内で行う「未来ショーケース事業」の「スマートモビリティ万博」で披露する空飛ぶクルマの運航事業を担当する参加企業と会場内ポート(離着陸場)運営を担う協賛企業を発表した。
空飛ぶクルマの運行事業は、ANAホールディングスと米国のJoby Aviation(ジョビーアビエーション)、日本航空(JAL)、丸紅、SkyDriveが担当する。会場内の離着陸場運営はオリックスが担う。
空飛ぶクルマの離着陸場は会場内だけでなく、大阪市内や会場付近の湾岸部、関西国際空港にも設けられる。万博会場外のポートを運営する会社は未定となっている。
ANAとJoby Aviationは最高時速320kmの空飛ぶクルマを出展
ANAホールディングスは、Joby Aviationが開発した電動エアモビリティ「eVTOL Jody S-4(イーブイトールジョディ―エスワン)」の運航を行う。eVTOL Jody S-4は、パイロット席を含め5席を備えた空飛ぶクルマで、最高時速は320kmに達し、航続距離は最高240kmで、静粛性に優れる。eVTOL Jody S-4の機体生産では、トヨタ自動車と協業している。
こういった高い静粛性と高速性により都市の混雑や渋滞の緩和、実現可能な交通手段を実現するという。大阪・関西万博の会期中には、会場内と会場外の離着陸場をつなぐ区間でeVTOL Jody S-4を飛行させる見込みだ。将来的には、eVTOL Jody S-4を用いて、JR大阪駅から関西国際空港までの距離を14分で移動できる革新的な移動サービスを日本で展開するという。
Joby Aviation 日本ビジネス責任者の小早康之氏は、「当社は、電動式垂直離着陸機を開発する会社で、米国のカリフォルニア州に本社を構える。eVTOL Jody S-4は、2009年の当社設立から1000回以上の試験飛行を行っている。2018年には米国連邦航空局(FAA)に型式認証の申請を提出し、2022年10月には海外機として初めて日本の型式認証の申請を国土交通省航空局に実施した」と話す。
JALは2人乗り電動垂直離着陸機を運航
JALは、ドイツのVolocopter(ボロコプター)が開発したマルチコプター型の2人乗り電動垂直離着陸機「VoloCity(ボロシティー)」を運航する。Volocopterは、海外でVoloCityの試験飛行を重ねており、2024年には、フランスのパリやシンガポールなどで、VoloCityの商用運航を予定している。大阪/関西万博の会期中には会場内と会場外の離着陸場を結ぶ区間でVoloCityをフライトさせる見込みだ。
JAL 代表取締役社長 執行役員の赤坂祐二氏は、「当社は、1970年に開催された大阪万博では、航空業界のゲームチェンジャーとなる大型旅客機『ボーイング747』を運航した。今回は、当社が70年以上にわたる航空運送事業で培った知見を生かし、安心で安全に、航空業界の新たなゲームチェンジャーである空飛ぶクルマを運航する」と抱負を述べた。
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