検索
ニュース

LIXILが玄関ドアの構造を再発明、子扉に全てのデバイスを集約した「XE」を発表イノベーションのレシピ(1/2 ページ)

LIXILが次世代玄関ドア「XE」を発表。錠やラッチ、電気錠などあらゆるデバイスを袖部の機能ユニット(子扉)に納める新たな構造を採用しており「玄関ドアの常識を一新する、構造の再発明」(同社)とする。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 LIXILは2023年2月21日、東京都内で会見を開き、次世代玄関ドア「XE」を発表した。錠やラッチ、電気錠などあらゆるデバイスを袖部の機能ユニット(子扉)に納める新たな構造を採用しており「玄関ドアの常識を一新する、構造の再発明」(同社)とする。同年4月から新築向け製品の販売を始める予定で、今後リフォーム市場向けやアジアを中心とした海外市場向けのラインアップもそろえていく方針。価格(税別、工事費や運搬費を含まない)は121万円から。

会見の登壇者
会見の登壇者。左からLIXILの田村光宏氏、川口富士雄氏。両氏の左側にあるのが「XE」だ[クリックで拡大]
「XE」の自動開閉システムのデモ。センサーの検知によって、玄関ドアに近づくと自動で開錠し扉が開く[クリックで再生]

 LIXILの窓/ドアブランドであるTOSTEMは、前身となる妙見屋の1923年の創業から100年を迎える。同社 常務役員 LIXIL Housing Technology サッシ・ドア事業部長の田村光宏氏は「当時からの良い家を届けたいという考え方はLIXILのパーパス(存在意義)にも受け継がれている。この“良い家”の定義は時代によって変わってきたが、TOSTEMはそれを先取りしてきた」と語る。2020年以降も、『Sustainability(持続可能性)』「Diversity(価値観の多様化)」「Well-being(心も体も健やかで豊かな暮らし)」というニーズに対応し、材料のリサイクル対応や自動開閉システム、スマートロックの導入などを進めてきた。「今回発表するXEは、100年という節目の年に、これまで培ってきた英知と技術、創造力を集結させることで、次の時代を見据えたフラグシップモデルになる」(田村氏)という。

「目指したのは、TOSTEMのイノベーションの歴史の到達点、集大成」

 戸建て住宅の玄関ドアは、アルミサッシの引き戸が市場の8割を占めるかつての時代から玄関ドアの採用が進み、現在は玄関ドアが8割を占めるようになっている。玄関ドア自身も、アルミ製から鋼板製になるとともに、袖部のガラスや上部の欄間などが付いていた構成から1枚ドアが主流になっている。

 XEは、現在では当たり前になっている1枚ドアの玄関ドアという既成概念を取り払い、全く新しいコンセプトで一から開発を進めてきた製品だ。LIXIL Housing Technology サッシ・ドア事業部 ドアBU長の川口富士雄氏は「目指したのは、TOSTEMのイノベーションの歴史の到達点、集大成となる玄関ドアだ」と強調する。

 一般的な1枚ドアの場合、錠やラッチ、電気錠などのデバイスは扉の戸先に配置されている。ラッチとハンドルが連動して動くためハンドルの意匠や位置を自由に決めることは難しく、このことが「玄関ドアの制約になっていた」(川口氏)という。これに対してXEは、先述した全てのパーツを袖部の機能ユニットに集約することで、ハンドルを含めた玄関ドア本体のデザインの自由度を高めた。また、従来の1枚ドア構造では難しい、スマートロックなど先進技術の急速な進化への対応についても、機能ユニットの入れ替えによって容易に実現できるとしている。

機能ユニットに全てのデバイスを収納した
機能ユニットに全てのデバイスを収納した[クリックで拡大] 出所:LIXIL

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る