リコーの新型複合機は「環境」を重視、「DX」で電子帳簿保存法への対応も充実:イノベーションのレシピ(1/2 ページ)
リコーは、ADFから複数の領収書などをスキャンした後、同社の「RICOH 証憑電子保存サービス」を用いることで、電子帳簿保存法の要件に沿った証憑データを専用クラウドに保存できるA3対応のフルカラー複合機を発売する。
リコーは2023年2月6日、東京都内で会見を開催し、A3に対応するフルカラー複合機の新型として「RICOH IM C6010/C5510/C4510/C3510/C3010/C2510/C2010」を同月14日に発売することを発表した。なお、各複合機の大きな違いは連続複写速度だという。
プラスチック回収材の使用率は約50%
リコージャパン ICT事業本部 オフィスプリンティング事業センター センター長の石井晃氏は、「新型では『環境』『DX』『セキュリティ』といったキーワードを掲げて機能を強化した」と話す。
環境対応に関しては、市販回収材(プラスチック製の包装容器や家電製品のプラスチックなど)を複合機の原材料として活用し、プラスチック回収材の使用率約50%を実現し、A3複合機で業界トップクラスの再生プラスチック使用率を達成した他、今後の販売予測を含む推定値で年間の回収材使用量は約5600t(トン)に達する見込みだ。年間の原材料調達から廃棄リサイクルに至るまでの各段階で環境負荷を低減し、カーボンフットプリントも約27%削減した。
包装材では、発泡スチロールから古紙由来の紙製包装材に切り替えることで、プラスチック使用量を約54%低減し、年間のプラスチック廃棄削減量が約260t減る見通しだ。トナーの防湿性能も高め、従来品で使用していたトナーボトルの包装袋をなくし、プラスチック使用量を減らして、年間のプラスチック廃棄物削減量が約76tになる予定だ。さらに、新開発の低融点トナーや省エネ制御マイコンを備えることで、従来品と比べ、定着下限温度を12℃低下し、TEC(Typical Electricity Consumption、標準的な電力消費)値を10%カットしたという。
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