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ラベル素材メーカー大手の挑戦、自動運転や半導体向けのシートとモジュールを開発新機能材料展2023(1/2 ページ)

ラベル素材メーカーのリンテックは、2022年に設立した「Welsurt」で、自動車の自動運転や半導体、介護業界向けソリューションの開発を進めている。

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 リンテックは、「コンバーティングテクノロジー総合展2023」(2023年2月1〜3日、東京ビッグサイト)内の「新機能材料展2023」に出展し、新発想開発ブランド「Welsurt(ウェルサート)」で開発中のフィルムヒーター(面状発熱体)や電波干渉を防ぐミリ波帯電磁波制御シート、ポリマーアクチュエーターの「HeliAct(ヘリアクト)」、半導体の冷却に役立つ薄型軽量ペルチェモジュール、意思伝達ツールの構築で貢献するCNT(カーボンナノチューブ)ウェアラブルセンサーを披露した。

ミリ波レーダーとLiDARセンサーの融雪に役立つフィルムヒーター

 リンテック製のフィルムヒーターは、透明性と伸縮性に優れる他、電磁波(ミリ波および近赤外線)の透過能が高く、3次曲面への追従性が良好で、真空成型にも対応する。従来品と同様に、フィルム上の導体線に電気を流し、電気抵抗による発熱でフィルム自体を暖めることで、フィルムヒーターとして機能し、応答性に優れ、瞬時に発熱する。

 リンテックのブース担当者は、「当社のフィルムヒーターは、電磁波への透過能と透明性が良好なため、自動車のエンブレムやミリ波レーダー、LiDARセンサー、ヘッドライト、テールライト、標識、信号機などの融雪で役立つだけでなく、ガラスやカメラレンズなどの結露防止にも使える」と話す。


リンテック製のフィルムヒーター[クリックで拡大]

リンテック製のフィルムヒーターの透明/曲面追従タイプ[クリックで拡大]

赤外線カメラで見ると、透明/曲面追従タイプのフィルムヒーターが発熱しているのが分かる[クリックで拡大]

 ミリ波帯電磁波制御シートは、吸収周波数や吸収幅を任意にコントロール可能なシートで、加工にも応じる。用途として、電波干渉の抑制を求められる部分に貼り付けることで、特定の周波数を高精度で受信するようにできる。例えば、通信装置などが設置された自動車のフロント部分などに取り付けることで、自動運転で必要な車両間通信を円滑に行えるようになるという。


ミリ波帯電磁波制御シート[クリックで拡大]

 HeliActは、加熱あるいは環境温度の変化により駆動するファイバー状のポリマーアクチュエーターで、伸縮型と回転型の2種類を用意している。

 伸縮型アクチュエーターは、加熱あるいは環境温度の変化により伸縮するタイプで、カーエアコンに設置するルーバーの開閉機構として利用することで、暑い時はアクチュエーターが伸びてルーバーを開き冷風を送風し、涼しい時にはアクチュエーターが収縮しルーバーを閉じられるだけでなく、こういった動作を静かに電力を使用せずに行えるという。回転型アクチュエーターは、回転する販促物であるスイングPOPに用いることで、電力を使わずに静かに回転させられる。


「Heliact」を用いた回転型アクチュエーター(左)と伸縮型アクチュエーター(右)[クリックで拡大]

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