粉末樹脂3Dプリンタの仕上げ工程技術で提携、国内での樹脂AMの普及を促進:3Dプリンタニュース
Yokoito Additive Manufacturingは、EOSジャパンと「粉末樹脂3Dプリンタ造形品の仕上げ工程の自動化および表面処理技術」についてアライアンスを締結した。日本国内で樹脂AMの普及を促進する。
Yokoito Additive Manufacturing(YAM)は2023年1月18日、EOS Electro Optical Systems Japan(EOSジャパン)と、「粉末樹脂3Dプリンタ造形品の仕上げ工程の自動化および表面処理技術」についてアライアンスを締結すると発表した。日本国内でのPolymer Additive Manufacturing(樹脂AM)の普及を促進する。
YOKOITOのAM関連事業部門であるYAMとEOSジャパンは、このアライアンスにより、粉末樹脂3Dプリントの仕上げ工程での生産性、安定性、品質の向上を目指す。
YAMは2022年11月に、DyeMansionとセールスパートナーおよびプロダクションパートナーに関する契約を結んでおり、粉末樹脂3Dプリンタ造形品におけるパウダークリーニングや表面処理、染色といった、DyeMansionの一連の後処理システムを国内で初めて展開する。
左から、EOSジャパン カントリーマネージャーの橋爪康晃氏、YOKOITO代表取締役CEOの中島佑太郎氏、DyeMansion Region Director APACのJingyi Yuan-Steiner氏[クリックで拡大] 出所:YOKOITO
EOSの粉末樹脂3Dプリンタは、造形品の表面仕上げが課題だった。YAMがDyeMansionの後処理システムを提供することにより、シームレスかつ射出成形品に近い品質で適時適量を生産する樹脂AMエコシステムが完成する。
既にEOSでは、DyeMansionとグローバルでのパートナーシップを締結している。EOSの粉末樹脂3Dプリンタで出力した造形品をDyeMansionのシステムで後処理した事例は数多くあり、評価も済んでいる。今後、国内のEOS粉末樹脂3Dプリンタユーザーは、すぐに造形品に効果的で生産性の高い後処理加工を施せるようになる。
DyeMansionが提供する「DyeMansion Print-to-Productワークフロー」は、クリーニング、表面処理、染色までの一連のポストプロセス技術で構成されている。同ワークフローでは、粉末床溶融結合法3Dプリンタで造形した部品の表面の粗さを抑え、射出成形品と同等の表面品質を提供するとともに、造形品の気密性や耐摩耗性も向上できる。
YAMが現在取り扱っているDyeMansionポストプロセスシステムは、次の通り。クリーニングシステムの「Powershot C」は、PBF(粉末床溶融結合)3Dプリント品の自動ブラスト処理が10分でできる。表面処理システムの「Powershot S」では、硬質プラスチックの表面をより均一にし、さまざまな形状の表面処理が可能だ。同じく表面処理システムの「Powerfuse S」は、エコフレンドリーな溶剤を用いて射出成形品と同等の表面品質を提供。染色システムの「DM60」は、標準的なカラーデータベースからオーダーメイドカラーまで170以上の色に対応する。
YAMとEOSジャパンは今後、緊密に情報交換をしながら協力し、国内市場で粉末樹脂3Dプリンタ向け後処理技術と樹脂AMの普及に取り組んでいく。
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