業務効率化の道具箱(8)ツールがないならVBAで作ってみよう:山浦恒央の“くみこみ”な話(161)(3/3 ページ)
ソフトウェア開発にとどまらない、PCを使う全ての人が対象となるシリーズ「業務効率化の道具箱」。第8回は、自作ツール作成の第一歩としてVBAを紹介する。
4.2 VBAを使ってみよう
今回は、VBAを起動し、簡単な計算を行うプログラムを作成します。図3の開発タブをクリックし、「Visual Basic」ボタンを選択します(図4)。
図4の「Visual Basic」ボタンを選択すると、図5の開発用画面が現れます。
図5は、VBAの開発画面です。ここでは、VBAを記述し、デバッグ/実行を行います。図5の赤枠(Sheet1)をダブルクリックし、エディタを表示しましょう(図6)。
今回は、足し算を行って画面上に表示するプログラムを作成します。以下のプログラムを入力してください(リスト2)。
Option Explicit Sub VbaTest() Dim result As Integer '変数宣言 result = 1 + 5 '1+5を実行後、resultへ代入 MsgBox (result) 'resultの中身を画面に表示 End Sub
リスト2は、以下のようなプログラムです。
- 変数resultを宣言する
- 「1 + 5」を実行し、resultへ代入する
- 変数resultの中身を画面に表示する
上記のプログラムを入力後、図7に示す赤枠(実行ボタン)をクリックします。
図7の上部メニュー画面をクリックすると、作成したプログラムを実行します(図8)。
図8にある通り、「1 + 5」の実行結果として「6」を表示していることが分かります。
5.終わりに
ソフトウェア開発の業務は多岐にわたるため、外部ツールのみでは自分の業務とマッチしない場合があります。その場合は、自分でツールを作成すると良いでしょう。特に、VBAは、業務効率化の「最初の一歩」として有名です。
今回は、効率化の準備編として、VBAの環境整備と簡単なプログラムを作成しました。VBAを活用することで、Excelでの業務が楽になります。ぜひ、効率化の道具箱に入れておいてください。面倒なことを正面からコツコツ処理するのではなく、サボるために面倒だけれどツールを作りましょう。「長生きできるなら、死んでもいい」が、エンジニアとしての正しい態度です。
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東海大学 大学院 組込み技術研究科 非常勤講師(工学博士)
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