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業務効率化の道具箱(8)ツールがないならVBAで作ってみよう山浦恒央の“くみこみ”な話(161)(1/3 ページ)

ソフトウェア開発にとどまらない、PCを使う全ての人が対象となるシリーズ「業務効率化の道具箱」。第8回は、自作ツール作成の第一歩としてVBAを紹介する。

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1.はじめに

 本シリーズでは、作業を効率化し、定時で帰宅する方法を紹介しています。主な業務効率化の例は、下記です(詳しくは第154回参照)。

  • スペックの高い機器を導入する
  • 使用機器を使いこなす
  • ツールを導入する
  • 自分でツールを作る
  • 働き方を工夫する

 前回は、「ツールを導入する」の一例として、ターミナルソフトの「RLogin」を使用して業務を効率化する方法を解説しました。今回は、「自作ツールを作る」による作業の効率化です。

⇒連載「山浦恒央の“くみこみ”な話」バックナンバー

2.業務効率化ツールの悩み

2.1 面倒な作業に直面した場合の3つの対処法

コツコツ削る
※写真はイメージです

 面倒な作業に直面した場合、3つの対処法があります。まず、「面倒なことに正面から取り組み、真面目に黙々とこなし、時間で解決させる」ですね。コツコツ型で、一見、正しい対処法に見えますが、人類が全てこのタイプだと、文明は進歩しなかったでしょう。分厚い岩盤にトンネルを開通させたい場合、鑿(のみ)と鏨(たがね)を使って毎日1mmずつ削る方式で、時間効率が最悪です。

 次の対処法が、「自分の人生に学ぶ」で、自分のこれまでの経験を基に、効率よく対処する方法です。削岩機を使ってトンネルを掘っているのを見たことがある人は、機械を導入して効率よく岩を削ろうとします。

 最善の対処法(と筆者が思うのは)、「人類の歴史に学ぶ」です。「自分の経験や歴史に学ぶ」のでは、たかだか、40年、50年の蓄積ですが、「人類の経験と歴史に学ぶ」と、有史以来、兆を超え京の単位の人数の先人達が数千年の歴史で経験したことを取り入れることが可能になります。自分が経験したことは、必ず、先人が経験しています。自分が面倒だと感じる作業は、他人も面倒だと思っています。そんな人達がどう対処したかを探ると、自分では思い付かない画期的な解決法が見つかります。

 携帯電話機から簡単に世界中のWebサイトにアクセスできるということは、国立国会図書館の全ての蔵書や、ニューヨーク近代美術館の全作品、世界の最先端のサイエンスや芸術、犯罪の手口、常識やマナーに至るまでポケットの中に入っているようなものです。世界中の人類の英知を検索できるWebサイトは、問題解決上、非常に強力なツールとなります。この記事を読んでいる読者も、人類の英知の集合体であるWebサイトから恩恵を享受しています。

 世の中には、「面倒なことをそのまま受け入れ、コツコツ作業する」人と、「面倒なことが大嫌いで、面倒な作業をサボるためなら、どんな面倒なことでもやる」人がいます。後者は、「長生きできるなら、死んでもよい」のように、一見、矛盾した思考回路を持っていますが、こんな人達が画期的な新技術を作るのです。これが、エンジニアとしての正しいマインドだと思います。

2.2 学生プログラミングvs.ビジネスプログラミング

 今は小学校で、英語に続きプログラミングも教科として学習します。趣味でプログラムを開発している大学生も非常に多いでしょう。趣味のプログラミングでは、自分の時間とお金を好きなだけ注げます。楽しみと可能性の追求ですね。時間効率や投下コストを無視することで、画期的なプログラムやハイテク系の新技術が生まれます。理学(サイエンス)志向で、一種の研究目的ですね。

 一方、研究目的ではなく、ソフトウェアを開発して販売するビジネスプログラミングでは時間効率とコストを考えねばなりません。工学(エンジニアリング)志向ですね。学生プログラミングとビジネスプログラミングには、良い悪いはありません。目的が違うのです。

 工学であるビジネスプログラミングでは、効率化を考えることが必須になります。Webサイトを検索して、目的に合致したツールを見つけられるといいのですが、「自分の業務とマッチしない」場合が少なくありません。ソフトウェア開発の業務は多岐にわたりますので、外部ツールだけでは目の前の業務を効率化できない「痒いところに手が届かない現象」となります。

 そんな時は、自分でツールを作成することに目を向けるとよいでしょう。今回は、自作ツール作成の方法としてVBAを解説します。

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