AI物体検出ライブラリがアップデート、エッジ端末でも高速かつ高精度に検出:人工知能ニュース
モルフォは、AIによる物体検出ライブラリ「Morpho Deep Detector」のバージョン3.0をリリースした。モルフォのAI推論エンジン「SoftNeuro」の最新版を内蔵。付属する学習モデルを一新し、80品目を検出可能な学習モデルとして提供する。
モルフォは2022年12月21日、AI(人工知能)による物体検出ライブラリ「Morpho Deep Detector」のバージョン3.0を発表した。モルフォのAI推論エンジン「SoftNeuro」の最新版を内蔵。CPU、GPU、各種AIアクセラレーターなどのさまざまなハードウェアに合わせて、高速かつ低消費電力で高精度に物体検出タスクを処理できる。
PC、組み込み機器、サーバ用途など、幅広いプラットフォームに対応する。動作速度の目安は、Intel Core i7第8世代の4Core/8Threadで20fps以上、Jetson AGX Xavierで60fps以上、Snapdragon8 Gen1搭載のAndroid端末で30fps以上としている。
付属する学習モデルの一新を図り、人物、乗り物、動物、道路関連、携帯品、スポーツ用品、食器類、食品、家具、家電、雑貨から80品目を検出可能な学習モデルとして用意した。処理速度と検出精度の要求バランスに合わせて、学習モデルを5段階から切り替えられる。用途に合わせて選択できるようにすることで、アプリケーション開発の自由度を高めた。
物体検出技術は、車載、モビリティ、監視カメラ、セキュリティなどの分野で、AIを利用したアプリケーションの基礎技術として広く利用されている。モルフォは、Morpho Deep Detectorをアップデートしたことで、より幅広い用途で導入が増えると期待している。
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