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宇宙開発向けの生活検証が安価で行えるダンボールテントユニット、屋外にも対応イノベーションのレシピ(1/2 ページ)

東洋製罐グループホールディングス、フィールドアシスタントと共同で開発した組立式ダンボール製テント「DAN DAN DOME」シリーズを活用し、従来の検証方法と比較して安価で時間がかからない宇宙開発向けの生活検証が行えるユニット「DAN DAN DOME EXP.STATION」を開発した。

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 東洋製罐グループホールディングス(以下、東洋製罐グループ)は2023年1月11日、東京都内で会見を開き、フィールドアシスタントと共同で開発した組立式ダンボール製テント「DAN DAN DOME(ダンダンドーム)」シリーズを活用し、宇宙開発向けの生活検証ユニット「DAN DAN DOME EXP.STATION(ダンダンドームイーエクスピーステーション)」を開発したと発表した。

 DAN DAN DOME EXP.STATIONの価格は未定で、宇宙開発に関わる企業だけでなく、宇宙開発に関心がある企業や団体も対象に提供する予定だ。

 DAN DAN DOME EXP.STATIONは、DAN DAN DOMEシリーズの「ART」をベースに「インナールーフ」「エントランスパーツ」「スペースユニット」を組み合わせて構築した、「OFFICIAL」「PUBLIC」「KITCHEN」「W.C」「AIRLOCK」「CREW(2棟)」「CORRIDOR」といった9棟のテントで構成されている。


「DAN DAN DOME EXP.STATION」の9棟のテント[クリックで拡大] 提供:東洋製罐グループ

会場では「PUBLIC」(左)と「OFFICIAL」(右)をつなげた簡易的な「DAN DAN DOME EXP.STATION」を披露[クリックで拡大]

 各テントは、車座になれば約10人が中に入れるほどの広さを確保し、大人が立っても頭がぶつからない十分な高さを備えている他、それぞれのテントは特定の用途を想定した内装に仕上げている。例えば、OFFICIALは打ち合わせなどに使用できる空間をイメージし、PUBLICはユーザー同士でコミュニケーションが図れる空間を意識した内装となっている。


「OFFICIAL」の内部[クリックで拡大]

「PUBLIC」の内部[クリックで拡大]

地上管制をイメージして、会場に配置されたカメラで撮影した「OFFICIAL」と「PUBLIC」の内部と外部の映像をモニタリングするデスクも用意[クリックで拡大]

 最大の特徴はネジやクギを使用せずに組み立てられる点で、ダンボールの表面に東洋製罐グループ独自のラミネート技術を施すことで耐水性も確保し、屋外でも数カ月間使える。また、場所を選ばずに利用しやすく、使用後は通常のダンボールと同様にリサイクル可能なので、分別ごみとして廃棄できる。利用者には、フィールドアシスタントが長年培ってきた模擬実験※1のノウハウを提供し、宇宙と地上管制の現場を想定した検証を後押しする。

※1 模擬実験:サンプルを製作し過酷な宇宙生活で建設した建物が設計通りに性能を発揮できるかを検証する実験。

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