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真空構造の産業用コンピュータ、腐食ガスの流入防止で耐久性向上:FAニュース
ファナティックは2022年11月15日、硫化水素などの腐食ガスにも耐久性のある真空構造の産業用コンピュータ「Sealed Edge(シールドエッジ)」を開発したと発表した。同年12月から販売する。
ファナティックは2022年11月15日、硫化水素などの腐食ガスにも耐久性のある真空構造の産業用コンピュータ「Sealed Edge(シールドエッジ)」を開発したと発表した。同年12月から販売する。
産業用コンピュータは高い耐久性を誇るが、従来の構造では腐食ガスの侵入を防ぐことは難しく、ガスによるマザーボードなど構成部品の腐食が不具合や故障の原因となっていた。
Sealed Edgeでは、筐体を真空フランジ構造とすることで超高気密構造を実現し、気体の侵入を防止する。また、ハーメチックコネクターを自社開発し、コネクターも超高気密構造としたことでコネクターからの気体の侵入も拒む。さらに、液体で直接冷却する新しい冷却システムの開発と採用により、高性能なCPUが搭載できる。外形寸法は137×309×219mmとなっている。
性能評価としては硫化水素を高濃度(50ppm)で10日間暴露する腐食ガス試験を実施し、正常に稼働することを確認した。下水処理場で発生する硫化水素の濃度は0.2ppm程度とされ、50ppmで10日間暴露する量は0.2ppmの6年11カ月分に相当する。
腐食ガスをはじめ粉じん、液体の侵入を防止することにより、コンピュータに不向きな場所や環境でもコンピュータを設置することができ、これまでコンピュータ活用が進んでいなかった分野にエッジコンピューティングの領域を広げる。
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