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インラインでシート検査の精度と生産性を改善、オムロンがAI分類と多波長検査で製造現場向けAI技術(1/2 ページ)

オムロンは「第13回フィルムテック ジャパン(高機能フィルム展)」(2022年12月7〜9日、幕張メッセ)において、シート検査における生産性を改善する新技術として、多波長検査技術「マルチウェーブセンシング」と、AI分類技術「Dual Class AI」を紹介した。

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 オムロンは「第13回フィルムテック ジャパン(高機能フィルム展)」(2022年12月7〜9日、幕張メッセ)において、シート検査における生産性を改善する新技術として、多波長検査技術「マルチウェーブセンシング」と、AI(人工知能)分類技術「Dual Class AI」を紹介した。

 オムロンではシート検査装置(AWI、Automated Web Inspection)を50年以上展開しており累計で2800万台の導入実績を持つ。紙やフィルム、金属、ガラス、不織布などのシートの検査で活用されている。シート検査では、欠陥の「検出」「判別」「分類」「可視化」という工程で行うが、今回開発したのは、この検出と判別、分類を強化する技術だ。シート検査装置と組み合わせて使うことで、検査工程の精度向上や工程改善に役立てられる。

検出と判別を強化するマルチウェーブセンシング技術

 「検出」と「判別」を強化する技術として紹介されたのがマルチウェーブセンシングだ。カメラ、光源、検査方式、アルゴリズムの4つの要素を組み合わせ、可視光から近赤外線までの複数の波長により情報を検出することで、高い検出能力と高度な判別性能を実現する。通常は複数の波長の組み合わせでは、複数のカメラと照明を用いるケースが多かったが、マルチウェーブセンシングでは、1台のカメラで可視光も近赤外線も検出できるために、省スペースでこれらの高精度の検出が行える点が特徴だ。

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会場でのマルチウェーブセンシングの展示の様子。可視光と近赤外線を一括で検出できるカメラを用い、金属物質と非金属物質が混入したシートで、即座にどちらかを判別するデモンストレーションを行った[クリックで拡大]

 シート上の混入物を可視光での撮像で見つけ出すだけでなく、近赤外線を組み合わせることで、その混入物が金属なのか非金属なのかを合わせて判別できたり、色によって判別が難しい複数種の汚れなどを赤、青、緑などそれぞれの波長を活用することで見つけ出したりするような使い方が想定できるという。オムロン インダストリアルオートメーションビジネスカンパニー 検査システム事業部 AWI事業推進部長の入江篤氏は「カメラ1台で複数の検査方式を採用できる点が特徴だ。モノクロカメラが4台必要だったところが1台で対応できる」と価値について述べている。

photophoto デモンストレーションで金属を検査した結果(左)。RGBの各波長と近赤外線の全てが等しく反応していることが分かる。一方で非金属を検査した結果(右)では、可視光であるRGBの波長は反応しているものの、近赤外線では反応がないため、検査している物質が非金属であることが判別できる[クリックで拡大]
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