万博に向けてサイバー攻撃対策強化の動きも、ハード含めたサブスクモデルを提供:産業制御システムのセキュリティ
Nozomi Networksは2022年11月17日、東京都内で記者会見を開き、来日した共同創業者で最高製品責任者のアンドレア・カルカーノ(Andrea Carcano)氏がIoT(モノのインターネット)/OT(制御技術)の最新動向などを語った。
Nozomi Networksは2022年11月17日、東京都内で記者会見を開き、来日した共同創業者で最高製品責任者のアンドレア・カルカーノ(Andrea Carcano)氏がIoT(モノのインターネット)/OT(制御技術)の最新動向などを語った。
トヨタ生産停止などを受けてサイバーセキュリティへの関心高まる
ロシアによるウクライナ侵攻など国際的緊張の高まりを背景にカルカーノ氏は、「この2年間、世界は大きく変化した。重要なインフラがサイバー攻撃の対象になっており、これらの施設が被害を受けると社会生活に大きな影響を及ぼす」と語る。
近年のITの発達で、作業者が持つモバイル端末からプラントにあるポンプまでがネットワークでつながるようになった。「私が創業した10年前、企業は“私たちのプラントは安全です。これ以上の対策は必要ありません”という反応だった。しかし現在は、企業は多くの予算をサイバーセキュリティにかけて、最優先事項として取り組んでいる。私たちの話し相手はサイバーセキュリティの担当者だけではなく、企業のトップマネジメントになった。市場は大きく成長した」(カルカーノ氏)。
日本では、2022年2月に小島プレス工業がサイバー攻撃を受け、同年3月に取引先だったトヨタ自動車が国内の全工場を停止する事態に陥った。同年11月には、経済産業省が工場システムのセキュリティ対策の手引きとなる「工場システムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドラインVer 1.0」を発表している。
Nozomi Networks 日本担当カントリーマネジャーの芦矢悠司氏は「大手企業ではなくても一定のレベルで対策をしていないと、サプライチェーンから弾かれて事業が立ち行かなくなるというリスクを企業が感じ始めている。また、経産省のガイドラインに準ずる企業は否応なく取り組まなければいけないという流れになっている」と語る。
2025年には大阪で「日本国際博覧会」(略称:大阪・関西万博)が予定されている。「関西圏を中心に万博に向けたセキュリティの強化も徐々に出てくると思われる」(芦矢氏)。
ハード含めたサブスクリプション型サービス提供を開始
Nozomi Networksでは、ハードウェア、ソフトウェアを含む同社のソリューションをサブスクリプション型で提供する「Nozomi OnePass」の提供を開始した。状況に応じてソリューションを導入でき、初期投資も抑えることができる。
カルカーノ氏は「われわれの業界で初めてとなるHardware as a Serviceだ。われわれのソリューションに必要な物理的なコンポーネント全てが含まれており、ソフトトウェアのバージョンアップに伴う追加費用も発生しない」と話す。
まず1つの工場で導入して、調整をしながら次の工場に導入するといった展開も可能になる。「企業によってはそれぞれの工場で決済をしているケースもあり、Nozomi OnePassによって“いつ、どのモデルを導入するのか”などに関してその時々に適切な判断ができるようになる」(芦矢氏)。
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