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次なるインフラを担うTRON、URの板状住宅をリノベしたスマートホームも公開2022 TRON Symposium(1/2 ページ)

トロンフォーラムが「2022 TRON Symposium−TRONSHOW−」の記者発表会を開催。2022年のTRON Symposiumの見どころや、TRONプロジェクトの最新トピックスなどを発表するとともに、UR都市機構と東洋大学情報連携学部が共同で進めるスマートホームの研究プロジェクト「Open Smart UR研究会」の成果である「生活モニタリング住戸」を公開した。

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TRONプロジェクトリーダーの坂村健氏
TRONプロジェクトリーダーの坂村健氏。自身がデザインした「生活モニタリング住戸」を披露した[クリックで拡大]

 トロンフォーラムは2022年11月24日、東洋大学情報連携学部(INIAD、東京都北区)のキャンパス内において、「2022 TRON Symposium−TRONSHOW−」(同年12月7〜9日、東京ミッドタウン)の記者発表会を開催した。2022年のTRON Symposiumの見どころや、TRONプロジェクトの最新トピックスなどを発表するとともに、UR都市機構とINIADが共同で進めるスマートホームの研究プロジェクト「Open Smart UR研究会」の成果である「生活モニタリング住戸」を公開した。

 2022年のTRON Symposiumのテーマは「ネクスト・インフラ」だ。近年のTRONプロジェクトで推進してきた「オープンIoTシステム」もネクスト・インフラの一つだが、今回はNTTが中心になって開発をけん引しているIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)も中核を担うことになる。2022 TRON Symposiumの初日に当たる12月7日の基調講演では、TRONプロジェクトリーダーでINIAD 学部長を務める坂村健氏がネクスト・インフラをテーマに今後の展望を語り、IOWN Global ForumのメンバーであるNTTやソニーグループ、インテル、富士通、NECの担当者が登壇するIOWN特別セッションも開催する。坂村氏は「2030年に、電力効率100倍、伝送容量125倍、レイテンシ200分の1を目指すIOWNは、ICTインフラに大きなインパクト与えるだろう」と語る。

 また、IEEE(米国電気電子学会)の国際標準となったIoT(モノのインターネット)エッジノード向けリアルタイムOS「μT-Kernel 2.0(IEEE 2050-2018)」と完全互換の「μT-Kernel 3.0」は2022年10月に最新版となる「3.00.006」をGitHubで公開した。BSP(ボードサポートパッケージ)も、STマイクロエレクトロニクスやルネサス エレクトロニクスの評価ボードに加えて、2022年11月末には「Raspberry Pi Pico」に対応する予定だという。

「Raspberry Pi Pico」に対応する「μT-Kernel 3.0」のBSPもリリースされる予定
「Raspberry Pi Pico」に対応する「μT-Kernel 3.0」のBSPもリリースされる予定[クリックで拡大] 出所:トロンフォーラム

 さらに、坂村氏が「2023 IEEE Technical Field Awards」を受賞することも明らかになった。ソニー創業者の井深大氏の寄付によって始まった同アワードは、消費者向け電化製品の技術開発に貢献のあった人物に贈られており、これまで音響システムのドルビーシステムを開発したレイ・ドルビー氏やLinux開発者のリーナス・トーバルズ氏、アップル共同創業者のスティーブ・ウォズニアック氏などが受賞している。坂村氏の受賞理由は「消費者向け電化製品に使われる組み込みコンピュータ用のオープンでフリーなOSの開発に果たしたリーダーシップ」である。

坂村健氏が「2023 IEEE Technical Field Awards」を受賞する
坂村健氏が「2023 IEEE Technical Field Awards」を受賞する[クリックで拡大] 出所:トロンフォーラム

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