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IoT機器向けLinux OSのセキュリティ品質を強化した最新版を提供開始:組み込み開発ニュース
サイバートラストは、IoT機器向けのLinux OS「EMLinux」のセキュリティ品質を強化した最新版「EMLinux 2.6」の提供を開始した。セキュリティアップデートの提供が早期化し、迅速にCVEに対応できる。
サイバートラストは2022年10月18日、IoT(モノのインターネット)機器向けのLinux OS「EMLinux」のセキュリティ品質を強化した最新版「EMLinux 2.6」の提供を開始した。セキュリティアップデートの提供が早期化し、迅速にCVE(共通脆弱性識別子)に対応できる。
EMLinuxでは、主要なソフトウェアに「Debian」パッケージを用いている。そのため、これまでDebianの2〜5カ月ごとのポイントリリース時に、セキュリティアップデートをまとめて取り込んでいた。今回、それぞれのパッケージアップデートのタイミングで取り込む仕様としたことで、迅速なセキュリティアップデートが可能となった。
また、「CIP Linux カーネル5.10」を標準対応ハードウェアの「NXP Layerscape LS1043A-RDB」および「LS1046A-RDB」に適用。CIP Linux カーネル5.10は、従来のカーネル4.19と比べて脆弱性の修正を早期化したほか、機能バグなどの修正カバレッジを向上している。
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