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「ThinkPad」が世界に発信する日本のモノづくり力、折り畳みノートPCもさらに進化組み込み開発ニュース(2/3 ページ)

レノボ・ジャパンがオンラインで会見を開き、初代モデルの発売から30周年を迎えるビジネスノートPC「ThinkPad」の歴史を振り返った。また、ThinkPadの先進技術を実現する上で重要な役割を果たしてきた協業パートナーである東レ、シャープディスプレイテクノロジー、クラレが登壇し採用技術を紹介した。

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CFRPの採用で25年以上の歴史

 堅牢性の他にも、携帯電話通信機能や指紋認証センサーの搭載などさまざまな技術で業界をリードしてきたThinkPadだが、携帯性と堅牢性を高い次元で両立するためのCFRP(炭素繊維強化樹脂)の採用でも25年以上の歴史がある。14インチ軽量モバイルノートPCという市場を確立した「ThinkPad X1 Carbon」は、筐体へのCFRPの採用がアイコンとなっている。

2012年から展開してきた「ThinkPad X1 Carbon」
2012年から展開してきた「ThinkPad X1 Carbon」[クリックで拡大] 出所:レノボ・ジャパン

 ThinkPad X1 Carbonなどのディスプレイ側のCFRP筐体を供給してきたのが東レである。納入数は、1997年の初採用から27年間にわたって累計5000万台以上に上るという。東レ コンポジット事業部門長の溝渕誠氏は「加重によるディスプレイの破損を防ぐには堅牢性のある筐体が必要であり、軽さと堅牢性を両立できるCFRPが選ばれた」と語る。

ディスプレイ側筐体にCFRPを採用する理由
ディスプレイ側筐体にCFRPを採用する理由[クリックで拡大] 出所:東レ

 その筐体構造も進化を続けており、当初の射出成形筐体から、カーボン天面とガラス繊維強化樹脂フレームを組み合わせたハイブリッド成形筐体となり、近年では高弾性カーボン積層と低密度カーボンファイバー網を組み合わせたフルカーボンサンドイッチ筐体が採用されている。重量は、射出成形筐体が160gだったのに対し、ハイブリッド成形筐体は13gとなり、フルカーボンサンドイッチ筐体は100gまで軽量化された。

ディスプレイ側CFRP筐体の軽量化の推移
ディスプレイ側CFRP筐体の軽量化の推移[クリックで拡大] 出所:東レ
ハイブリッド成形筐体フルカーボンサンドイッチ筐体 ハイブリッド成形筐体(左)とフルカーボンサンドイッチ筐体(右)[クリックで拡大] 出所:東レ

 また、ThinkPad X1 Carbonのアイコンとなっているカーボン柄の天面カバーは、極細カーボンを供給できる東レとの協業があって実現できた意匠だ。サステナビリティへの対応でも、航空機部品の製造工程端材を天面カバーのフレーム補強材にリサイクルする取り組みなどを進めているという。

カーボン柄天面カバーサステナビリティへの対応 カーボン柄天面カバー(左)とサステナビリティへの対応(右)[クリックで拡大] 出所:東レ

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