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3D CAD操作の効果的な習得とモデリング力をアップするための秘訣とはデジタルエンジニアの重要性と育成のコツ(3)(2/2 ページ)

現代のモノづくりにおいて、3D CADやCAE、CAM、3Dプリンタや3Dスキャナーといったデジタル技術の活用は欠かせない。だが、これらを単に使いこなしているだけではデジタル技術を活用した“真の価値”は発揮できない。必要なのは、デジタル技術を活用し、QCDの向上を図り、安全で魅力ある製品を創り出せる「デジタルエンジニア」の存在だ。連載第3回では「3D CAD操作の効果的な習得とモデリング力をアップするための秘訣」について解説する。

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3D CADの習得で最も重要なことは「復習」

 学生時代に先生から予習と復習が大切だと教わったかと思いますが、3D CADのトレーニングを受ける場合には、特に“復習が重要”になります。

 講習のときは理解したつもりでいても、職場に戻って1週間もすると忘れてしまっている……。そんな経験はありませんか? どんな講習でもいえることですが、せっかくお金を払い、貴重な時間を使って学びに行ったのですから、忘れてしまう前にできるだけ早く復習をしましょう。特に、会社の代表として講習会に参加したのであれば、その責任も重大です。

 時間のことにも触れましたが、会社側としては、トレーニングを受ける機会(時間)を与えるだけでなく、必ず復習をするための時間も確保してあげましょう。復習する時間をうまく確保できなかったために、3D CADの操作習得が進まず、社内の3D化が思うようにいかなかったというケースも少なくありません。また、学生の場合、自宅に3D CADがないと操作を実際に行って復習することは難しいかもしれませんが、教科書を眺めたり、動画コンテンツを視聴したりして、講習で学んだことを振り返ってみてください。

 ご自身で復習しているときに問題となるのが、操作がどうしてもうまくいかない、よく分からないエラーが発生してしまった……といった場合です。講習のときはできたのに、会社に戻って同じことをやろうとしたらうまくいかなかったというのはよくある話です。

 よくある原因としては、「講習会で使った3D CADの設定と、社内の設定が違っていた」「使用している3D CADのバージョンが異なっていた」などが考えられますが、解決への近道は“分かる人に聞く”ことです。トレーニングしてもらった講師に質問できるのであればその方に聞くのが一番ですが、それができない場合には、3D CADベンダーや代理店へ問い合わせたり、SNS上のコミュニティーなどに投稿したりすることで回答が得られるかもしれません。また、3D CADを導入した際には、有料にはなりますがサポートサービスに加入するのをオススメします。サポートサービスに加入していれば、電話やメール、チャットなどですぐに質問できます。

 講習を受け、復習も行い、習ったことを理解したら、いよいよ実践となるわけですが、思い通りにいかないことも多くあります。「講習で習った3Dモデルは作れるが、自社製品の3Dモデルを作ろうとしたらうまく作れない……」という相談は珍しくありません。

 3Dモデルの作り方は多種多様で、その形状ごとで作り方が変わってきます。コマンドの使い方は理解できたとしても、自分が作りたい形状を何のコマンドを使って作ったらよいかを考えることができるようになるには、日々の鍛錬が必要です。もちろん、コツやポイントというのもありますが、少しずつ実践経験を積みながらスキルアップを図っていく必要があります。

 3D CADの基礎的な操作やコマンドを習得できたとしても、自分のイメージした形状をカタチにできなければ意味がありません。どのようにすれば目的の形状を作ることができるのかが分からないと、“設計という本質”に時間を使う代わりに、「どのように形状を作ればよいのか?」に時間が消費されてしまいます。

 そうならないためにも基本となる型を学び、繰り返しの練習を行うことで「モデリング」という作業をマスターし、さらにモデリングにおけるいろいろな作り方のパターンを学び、さまざまな場面で臨機応変に対応できるスキルを身に付けていきましょう。

 モデリングの練習では、自社製品を題材に行うのもよいですし、ネットやYouTubeなどの題材をマネして作ってみるのもよいと思います。また、自分が好きなモノを題材にすれば、楽しみながら練習を積むことができます。3D CADの操作/モデリングを習得するには、とにかく復習が一番です。反復練習しながら自分のスキルを磨いていきましょう! (次回へ続く

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筆者プロフィール

小原照記(おばら てるき)

いわてデジタルエンジニア育成センターのセンター長、3次元設計能力検定協会の理事も務める。3D CADを中心とした講習会を小学生から大人まで幅広い世代の人に行い、3Dデータを活用できる人材を増やす活動をしている。また企業の困り事に対し、デジタルツールを使って支援している。人は宝、財産であると考え、時代に対応する、即戦力になれる人財、また、時代を創るプロフェッショナルな人財の育成を目指している。優秀な人財がいるところには、仕事が集まり、人が集まって、より魅力ある街になっていくと考えて地方でもできること、地方だからできることを考えて日々活動している。


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