検索
連載

地道な「稼働率向上」の積み重ねこそが機械設備の生産性向上に欠かせない生産性向上のもう一つのキモは、設備管理の徹底にあり(6)(2/3 ページ)

工場の自動化が進む中でより重要性を増している「設備管理」について解説する本連載。第5回は、機械設備の生産性向上に関する考え方となる「設備稼働率」について解説する。

Share
Tweet
LINE
Hatena

2.機械設備の保全活動の狙いとは

 機械設備の保全活動の狙いは、一般的に「生産量(Production Volume)の増大」「品質(Quality)の向上」「コスト(Cost)の低減」「納期(Delivery)の短縮」「安全性(Safety)の向上」「作業意欲(Morale)の向上」の6項目にあります。それぞれの企業における保全活動の狙いはどこにあるのでしょうか。

 アンケート調査を行った結果、現在の保全活動の狙いとしては、「故障低減」が最も多く、以下「修復時間の短縮」「チョコ停(小停止)の低減」「不良低減」「生産量の増大」「保全コストの削減」「公害・災害防止」の順となっていました。故障低減とチョコ停の低減は機械設備の信頼性の問題であり、修復時間の短縮は保全性の問題です。その後に前述した保全の狙いの6項目が続く結果となりました。

 機械設備の保全活動の狙いや期待する効果をどこに置くかは、保全活動の活動水準を左右する重要な問題でもあります。いずれにしても、機械設備の稼働率向上が目的と言っても過言ではありません。

3.機械設備の稼働分析

 機械設備は故障によって停止しますが、設備管理では故障ゼロを目指した取り組みを行って機械設備の信頼性を高めていかなければなりません。そのために、機械設備の稼働状況をしっかりと把握して、どのような原因で停止しているのか、なぜ機械設備の稼働時間が少ないかなどを明確にし、改善していく必要があります。図1に、機械設備の効率向上の分析に用いる主な指標を示しました。また、その内容についても以下に説明します。

図1
図1 機械設備の稼働分析指標[クリックで拡大]

(1)故障率

 機械設備の「故障率」は、機械設備の負荷時間(稼働時間)に対する故障時間や故障発生頻度の割合を示した指標で、生産設備そのものの故障状態を示し、負荷時間当たりの故障停止時間の割合を表す「故障強度率」と、負荷時間当たりの故障発生の割合を表す「故障度数率」から成り立っています。

(2)設備総合効率

 「設備総合効率」は“時間稼働率×性能稼働率×良品率”の式で算出します。生産設備が行った仕事量に対して種々のロスによって低下した消費エネルギーとの比率を表したものをいいます。

 段取りや調整などにより稼働できない時間を除いた割合をいう「時間稼働率」と、標準のスピード以下でしか稼働できていないロスをいう「性能稼働率」および、加工数量から不良品によるロスを取り除いた比率をいう「良品率」によって算出されます。

(3)機械設備の稼働を妨げる要因

 設備総合効率に影響を与える機械設備の稼働を妨げる阻害要因は、主に次の6項目のロスが挙げられます。時間稼働率に影響を及ぼすロスとしては「機械設備故障」と「段取調整」などがあります。性能稼働率に影響を及ぼすロスとしては「チョコ停」や「速度低下」があります。また、良品率に影響を及ぼすロスとしては「不良品」と「歩留低下」が挙げられます。

 設備総合効率を高めるためには、時間稼働率、性能稼働率、良品率を向上させることが必要となってきます。そのためには、これら6項目のロスの現状を調査して、その発生原因を突き止めて改善しなければなりません。一般的には、設備総合効率が80%以上を達成できるような設備保全活動が求められます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る