エンプラフィラメント対応のハイエンド熱溶解積層方式3Dプリンタを発売:3Dプリンタニュース
XYZプリンティングジャパンは、熱溶解積層方式3Dプリンタ「ダヴィンチ Pro EVO」を発売した。エンプラを含む、特殊で高度な10種類以上のフィラメントに対応する。ハイスペック機種でありながら、コンシューマー向けの低価格帯で販売する。
XYZプリンティングジャパンは2022年9月1日、熱溶解積層方式(FFF方式)3Dプリンタ「ダヴィンチ Pro EVO」を発売した。エンプラ(エンジニアリングプラスチック)フィラメントや工業向けの特殊で高度なフィラメントなど10種類以上のフィラメントに対応する。価格は23万9800円(税込)。
最大造形サイズは220×200×200mm。産業用の高度な機能を備えるハイスペック機種でありながら、コンシューマー向けの低価格帯で販売する。
対応する材料は、高硬度で耐久性の高い標準エクストルーダーと、別売りの高温対応オプションエクストルーダーにより、PA(ナイロン)、PC(ポリカーボネート)などのエンプラ材料に加え、カーボン系樹脂材料、柔らかいTPU材料など工業向けの特殊で高度なフィラメントも使用できる。また、オープンフィラメントにも対応し、他社製材料も使用できる。
対応フィラメントは、PLA、タフPLA、ABS、PETG、TPU、PA、PC、カーボンPLA、メタリックPLA、PP(PP GF30)。オプションエクストルーダー使用時は、PC、カーボンPET(PET CF15)、カーボンナイロン(PAHT CF15)に対応する。
また、新型フィーダーシステムを搭載。フィラメントの固定力を調整でき、硬いフィラメントや柔らかいフィラメントでも適切に押し出しできる。固定力はフィラメントの硬さに合わせて、最適な固定力に調整可能だ。
オートキャリブレーション(自動水平調整)機能も備えており、プラットフォーム(プリント台)の水平を正確かつ簡単に保持できる。タッチパネルから指示するだけでマシンが自動検知から自動調整までを実行し、水平調整がすぐに完了する。
水平調整機能の精度は非常に高く、121カ所の自動検知によって正確な水平精度を得られる。さらに、プラットフォーム自体を水平にしつつ、造形と同時にノズルの動きで水平の正確さを保つ機能を有する。
高精度な自動水平調整機能により、安定した造形ができるため、造形精度も優れている。積層ピッチを薄くすると造形品の精度は上がるが、ダヴィンチ Pro EVOでは、積層ピッチ0.2mmの造形でも積層痕が目立たない造形品を製作できる。
他に、湿気による材料の品質劣化を防ぎ、造形の安定性を向上するフィラメント乾燥機能や、造形中でもパラメーター設定を変更できる機能を搭載する。金属板のプラットフォームは熱伝導率が高く、造形が安定する。なお、プラットフォームは取り外せるため、軽く曲げるだけで造形品を簡単に剥がすことができる。
稼働音については、同社測定で50デシベル程度と静音性を高めた。3Dプリント以外にも、別売りオプションのレーザーモジュールを装着すれば、木材、革、厚紙にレーザー刻印ができる(レーザーカットはできない)。
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