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製造業DXの重要性は理解しても投資進まず、IT人材も足りない国内企業ものづくり白書2022を読み解く(2)(3/4 ページ)

日本のモノづくりの現状を示す「2022年版ものづくり白書」が2022年5月に公開された。本連載では3回にわたって「2022年版ものづくり白書」の内容を掘り下げる。第2回では国内製造業におけるDX進展の様子を見る。過去のものづくり白書では「ダイナミック・ケイパビリティ」の獲得が重要だと指摘していたが、現状はどうなのか。

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DXへの意識はあるもIT投資額は横ばい

 日本の製造業における2010年以降のIT投資額の推移をみると、有形(情報通信機器)資産と無形(ソフトウェア)資産のいずれも横ばいとなっており、DXの重要性が広く認識されるようになる中でも投資額は増加していない(図9)。


■図9:IT投資の推移[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

 他方、経営者がIT投資によって解決したい課題の内訳をみると、これまでは「今後の重点課題」だった「働き方改革(ニューノーマル、テレワーク)」や「社内コミュニケーション強化」が「取り組み中の課題」として回答される割合が増加し、新たに「ビジネスモデルの変革」を「今後の重点課題」とする割合が増えた。DXの進展に伴って、IT投資の目的が変化していることがうかがえる(図10)。


■図10:IT投資で解決したい経営課題[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

 製造事業者における設備投資の実態を把握するための調査によれば、IT投資を実施する企業の割合は約5割で、業種別にみると、一般機械、輸送用機械、化学工業が多い(図11)。また、具体的なIT投資の対象については、「生産管理」が最も多く、次いで「全社的・部門横断的なシステム」の割合が高い(図12)。


■図11:IT投資の実施状況(業種別)[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

■図12:具体的なIT投資の対象[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

 今後3年間の研究開発投資とIT投資の見通しについては、前年度の同様の調査と比較すると、研究開発投資とIT投資のいずれも「増加」や「やや増加」とする割合が増加している(図13、14)。資本金別に比較すると、資本金が高いほど、研究開発投資とIT投資いずれも「増加」および「やや増加」の割合が高い傾向にある(図15、16)


(左)■図13:今後3年間の見通し(研究開発投資)、(右)■図14:今後3年間の見通し(IT投資)[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

■図15:2021年度における今後3年間の見通し(研究開発投資、資本金別)[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

■図16:2021年度における今後3年間の見通し(IT投資、資本金別)[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

 一方、投資計画が減少する要因については、研究開発投資、IT投資ともに「事業環境など先行き不透明であるため」が最も多くなっている(図17、18)。


(左)■図17:今後、研究開発投資計画を減少する要因、(右)■図18:今後、IT投資計画を減少する要因[クリックして拡大] 出所:2022年版ものづくり白書

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