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コロナ禍に続き原材料価格の高騰が新たな課題に、データが映す製造業の現状:ものづくり白書2022を読み解く(1)(5/6 ページ)
日本のモノづくりの現状を示す「2022年版ものづくり白書」が2021年5月に公開された。本連載では3回にわたって「2022年版ものづくり白書」の内容を掘り下げる。第1回ではCOVID-19の影響を受けた製造業のサプライチェーン強靭化に向けた取り組みの現状を確認し、原材料価格の高騰という新たな課題が浮上している状況をデータで読み解く。
大企業を中心に生産量と出荷量が増加
2021年度の生産量については「増加」「やや増加」の割合が約4割を占めている(図29)。この結果を資本金別に比較すると「増加」「やや増加」の約7割が資本金100億円超の企業となっており、大企業を中心に生産量が増加している。業種別に比較すると、非鉄金属において「増加」「やや増加」の割合は約6割となっているのに対し、輸送用機械は約4割にとどまっている(図30)。
出荷動向をみると、2021年4月にはCOVID-19の感染拡大前の水準まで回復したが、7月以降は低下と上昇を繰り返している(図31)。出荷量に対する事業者の認識も、2021年度の出荷量については「増加」「やや増加」の割合が約4割を占めている(図32)。資本金別に比較すると「増加」「やや増加」の回答のうち約7割が資本金100億円超の企業であることから、生産量の傾向と同様に大企業を中心に出荷量が増加していることが分かる。
業種別に比較すると、非鉄金属においては、出荷量が「増加」「やや増加」の割合が約6割となっているのに対し、輸送用機械は約3割にとどまっており、生産量と同様の傾向となっている(図33)。
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