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将来の量子コンピュータ活用も視野に、生産計画の最適化でモノづくりに革新を日本ものづくりワールド 2022

Fixstars Amplifyは「日本ものづくりワールド 2022」で、量子コンピュータなどによって組み合わせ最適化問題を解くためのアプリケーション開発サービス「AMPLIFY SDK」を活用した、製造業向けの提案内容などを紹介した。

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 フィックスターズ傘下のFixstars Amplifyは「日本ものづくりワールド 2022」(東京ビッグサイト、2022年6月22〜24日)で、量子コンピュータなどによって組み合わせ最適化問題を解くためのアプリケーション開発サービス「AMPLIFY SDK」を活用した、製造業向けの提案内容などを紹介した。


Fixstars Amplifyの展示ブース外観[クリックして拡大]

 AMPLIFY SDKは、一定の制約条件下で最良の要素の組み合わせを発見する数理最適化用のアプリケーション開発を支援する。顧客が抱える課題を一般的なコードで定式化した上で、そのコードを、Fixstars Amplifyが展開する「Amplify Annealing Engine(AE)」やゲート方式の量子コンピュータ、量子アニーリングマシン、イジングマシン、最適化ソルバーなどに合わせた形式に自動で変換する。

 製造業における適用分野としては、生産計画や搬送計画、人員シフト、原料切り出し、生産装置の配置などの最適化や、点検箇所巡回業務の効率化などが想定される。その中でも今回、Fixstars Amplifyは生産計画の最適化を実現する活用案を展示で紹介した。

 工場の稼働状況などの情報をデータベースに蓄積していき、それを基に設備稼働率(OEE)や製品在庫数、業務量などの指標を、Fixstars Amplifyのアルゴリズムに従って、バランス良く調整する。これによって、生産計画の見直し時間低減や、品質管理における検査工程の人員削減を促進する効果などが期待される。顧客企業の業務設計に合わせた「オーダーメイドの生産計画システム」が構築できるという。Excelなどをベースに構築された、レガシーな生産計画システムからの脱却を図るニーズを取り込む考えだ。

 Fixstars Amplify 代表取締役社長の平岡卓爾氏は、「工場の情報をボトムアップで積み上げることで、現実と乖離(かいり)した生産計画の策定を防ぐ。将来的な可能性として、工場内外のモビリティによる搬送/走行計画や、工場に隣接した自動倉庫の製品出し入れに関する命令最適化なども実現し得るだろう」と語った。

 先述のようにAMPLIFY SDKは、量子コンピュータ上での稼働も視野に入れたアルゴリズムを顧客に提供できる。ただ、平岡氏は現状で量子コンピュータは大規模な問題を解決できるレベルに到達していないとした上で、「アルゴリズムと計算機の種類は分けて考える必要がある。組み合わせ最適化はあくまで当社のアルゴリズムによって実現されるものだ。計算機自体はPCやスマートフォンで十分処理できるなら、それに越したことはない」とも指摘した。

 一方で、量子コンピュータの性能は今後飛躍的に向上していく可能性がある。その場合、AMPLIFY SDKで作成したアルゴリズムはそのまま量子コンピュータ上で動かせるため、書き換えの手間が掛からず、これがメリットの1つとなる。

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