検索
ニュース

スマートねじや工程監視センサー、5G活用制御など、インダストリー4.0最新研究ハノーバーメッセ2022(1/3 ページ)

世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」(2022年5月30日〜6月2日)に出展したフラウンホーファー研究機構のブースでは、傘下の各研究所が製造業のスマート化に向けた最新研究成果を紹介した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 世界最大級の産業見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)」(2022年5月30日〜6月2日)に出展したフラウンホーファー研究機構のブースでは、傘下の各研究所が製造業のスマート化に向けた最新研究成果を紹介した。

センサーとLPWAでねじ1本1本の緩みを遠隔監視

 フラウンホーファーCCIT(Cluster of Excellence Cognitive Internet Technologies)の研究チームは、センサーと無線技術によってねじの緩みなどの状態をいつでも遠隔監視できるソリューション「スマートスクリューコネクション」を紹介した。


センサーと無線技術によってねじの緩みなどの状態をいつでも遠隔監視できるソリューション「スマートスクリューコネクション」[クリックで拡大]

 同ソリューションは、ピエゾ抵抗素子でできた極薄フィルター「DiaForce」を圧力センサーとして組み込んだワッシャーと、ねじの頭にかぶせる無線モジュールで構成したもので、DIN仕様のねじを対象としている。

 ワッシャーにねじを通して締めると、圧力センサーがその圧力を計測し無線でクラウドに送信。その後、ねじが緩むとDiaForceの電気抵抗が変化するので、その抵抗値の変化を送信することで遠隔地からねじの保守、監視が可能になる。データの送信については、設定や用途に応じ、常時、イベント発生時、または指定した間隔で設定可能という。

 DiaForceは、フラウンホーファーIST( Institute for Surface Engineering and Thin Films)が開発したもの。また、無線技術は、フラウンホーファーIIS(Institute for Integrated Circuits)が開発したLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークプロトコル「mioty」を利用。「10万個以上のセンサーのデータを、1つの基地局で、最小限のエネルギー消費かつ数kmまで長距離の送信が可能だ」といい、橋や風力発電施設、パイプラインなどといった大規模の設備などへの対応も可能だ。説明員は、「このソリューション導入により、現場にいる必要も、人を派遣する必要もなくなる。メンテナンスの手間を大幅に削減し、より良いコスト効率を実現できる」と述べていた。

 電源は3種類あり、交換不要で数年の駆動が可能というバッテリータイプの他、太陽電池や熱電発電タイプがある。熱電発電タイプは、モーターやベアリングなど動作中に暖かくなる対象にねじをとりつけた場合に、ねじと周囲の温度差を利用して発電する仕組みだ。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る