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パナソニックの物流ショーケース、彩都パーツセンターが見せる「ウラの競争力」物流のスマート化(3/4 ページ)

パナソニック コネクトが「現場プロセスイノベーション」の物流分野における自社実践の場とする彩都パーツセンターを報道陣に公開。2018年10月の稼働開始から、生産性分析の工数削減やピッキング効率の向上、コストの適正化などで成果を上げており、今後はこれらの自社実践ソリューションをSaaSアプリケーションとして切り出し外販していく計画である。

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4つのソリューションを公開

 今回報道陣に公開したのは、主にピッキング作業に関わる「ダッシュボード」「V-SLAM」「AI画像処理」「積載量可視化」の4つのソリューションである。

報道陣に公開した4つのソリューション
報道陣に公開した4つのソリューション[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト

ダッシュボード

 ダッシュボードは、作業員や設備の稼働/移動、作業データ、需要データなどから統合的に分析を行ってボトルネックとなっている現場課題を可視化し、変動に追随したオペレーションを実現するためのものだ。進捗管理や生産性分析、動線分析、収支分析、在庫管理などさまざまな画面が用意されており、経営層、データ活用担当者、現場責任者、現場担当者それぞれが「見たい情報」を見られるような構成にしているという。

ダッシュボードで見たい情報は立場によって異なる
ダッシュボードで見たい情報は立場によって異なる[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト

 例えば、ピッキング工数に関する生産性分析の画面では、移転前の2016年12月と比較して2倍以上の効率になっていることが一目で分かる。彩都パーツセンターだけでなく、パナソニック コネクトのもう1つのサービスパーツ拠点である佐賀パーツセンター(佐賀県鳥栖市)のデータも見ることができる。

ダッシュボードの画面例
ダッシュボードの画面例[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト
彩都パーツセンターと佐賀パーツセンターの比較
彩都パーツセンターと佐賀パーツセンターの比較[クリックで拡大]

 また、彩都パーツセンター内の各所に設置された大型ディスプレイ、ピッキングに用いる台車などに搭載されたタブレット端末から、このダッシュボードを使って作業に必要な情報を取得できるようになっている。

V-SLAM

 V-SLAMは、GPSが利用できない屋内倉庫の中でもカートやフォークリフトの移動状況を詳細に把握できるようにした画像解析技術である。

ダッシュボードで見たい情報は立場によって異なる
ダッシュボードで見たい情報は立場によって異なる[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト

 彩都パーツセンターの立ち上げ当初は、天井などに設置したカメラを使って棚からパーツを取り出すピッキング作業の分析を行っていた。「ここで課題になったのが、棚から棚へ作業者が移動する際の歩行ロスや待ち時間だった。しかし、作業者の移動に関するデータを取ろうとすると、カメラの設置台数を大幅に増やさなければならないが、それはコストが見合わない」(木村氏)。

天井に設置したカメラ
天井に設置したカメラ。棚エリアを中心に約40個設置している[クリックで拡大]

 そこで、ピッキング作業に用いる台車に市販の3Dセンサーを取り付け、台車が棚エリア内での位置推定を行えるQRコードを設置することで、台車とともに移動する作業者の移動状況を把握できるようになった。また、台車に3Dセンサーとは別途カメラを搭載することで、作業員の移動やピッキング作業の様子を撮影し、その映像データからの作業分析も行えるようになった。

V-SLAMを用いて棚エリア内での台車の移動状況を確認する様子[クリックで再生]

 なお、棚エリアに先行して導入されたV-SLAMは、フォークリフトエリアにも導入されている。

2020年からはフォークリフトエリアにもV-SLAMを導入している
2020年からはフォークリフトエリアにもV-SLAMを導入している[クリックで拡大]

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