ミリ波レーダーの進化版「4Dイメージングレーダー」、自動車と介護の見守りに提案:車載電子部品(1/2 ページ)
「4Dイメージングレーダー」を手掛けるイスラエルのVayyar Imagingの日本法人Vayyar Imaging Japanは2022年6月15日、日本での事業戦略を発表した。Vayyar Imagingは2022年2月に日本法人を設立。日本では、介護での見守りと自動車用の2つに注力する。
「4Dイメージングレーダー」を手掛けるイスラエルのVayyar Imagingの日本法人Vayyar Imaging Japanは2022年6月15日、日本での事業戦略を発表した。Vayyar Imagingは2022年1月に日本法人を設立。日本では、介護での見守りと自動車用の2つに注力する。Vayyar Imaging Japanの代表には、日本テキサス・インスツルメンツの代表取締役やTDKの特別顧問を務めた田口倫彰氏が就任した。
Vayyar Imagingは2011年、医療用イメージング技術の開発を目指してイスラエルで設立された。従業員数は330人以上で、8割がエンジニアとなる。イスラエルの他、日本、中国、米国、スウェーデンに拠点を持つ。
現在は医療以外にも領域を広げており、アマゾン(Amazon.com)、ハイアール、ピアッジオ、アイシン、ヴァレオ、トヨタコネクティッドなどさまざまな企業と協業の実績がある。協業により、高齢者介護向けの遠隔モニタリングの他、バイク用のマルチレンジレーダー、車載用短距離レーダー、車内向けのセンシングを手掛けた。ハイアールとは合弁事業を開始した。ピアッジオとはサプライヤー契約を結んでおり、車体の前後に4Dイメージングレーダーを搭載するバイクが既に発表されている。また、米国ではアマゾンから介護用のモニタリングシステムが販売されている。
4Dイメージングレーダーは、視野角や解像度が限定される一般的なミリ波レーダーよりも点群データが細かく得られる点が特徴だ。さらに、毎秒5〜10フレームの点群データが得られるので、検知対象が動いているかどうかも検出できる。Vayyar Imagingでは、レーダーのチップやアンテナなどのハードウェア、信号処理のアルゴリズムなどソフトウェア、機械学習による4Dイメージングレーダーの信号処理などを自社開発している。
4Dイメージングレーダーは60GHz帯と79GHz帯のミリ波を使用する。UWB(Ultra Wide Band)通信も含めると最大72個のアンテナを1チップに搭載する。基板サイズは60〜80mm角だ。車載規格のAEC-Q100や、自動車の機能安全規格ISO 26262の安全要求レベルで2段階目に当たるASIL-Bに準拠している。
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